Santa Barbaraその5。

ここでは僕が初めての留学で滞在したアメリカ西海岸の小さな町、サンタ・バーバラでの体験について書いています。初めてこのブログをお読みになる方は、Santa Barbaraその1。からお読み下さい。

滞在3日目。前日に深夜までアグネスたちと夜遊びをした僕はアラームが鳴っても起きることができず、クリストフの”Could you stop the alarm!?”(アラームを止めてくれ!)の一言で目を覚ましました。もちろん寝不足ですが、この日は初めて学校へ登校する日でした。眠い目をこすりながらキッチンへ行くと、ホストマザーのカレンがコーヒーを入れてくれ、「今日は学校の初日だから、私が車で連れて行くから」と言いました。僕は前日にアグネスと一緒に登校する約束をしていたのでそう伝えると、彼女も一緒に乗って行けば良いと言ってくれました。アグネスと車に乗り込み学校へ向かって出発すると、ユンが1人バス停に向かって歩いていたので、彼女も乗せてあげたら…とは思ったのですが英語の下手な僕は言い出すことが出来ず、そのままアグネスと2人で学校へ向かいました。

学校に到着すると、新規の入学生はロビーで入学手続きを待っていたのですが、そこで一度目にしたことのある日本人を発見しました。彼の名はR(彼の名誉のため本ブログではこう呼びたいと思います)と言い、ロサンゼルスからサンタバーバラへのフライトで同じ飛行機に乗っていて、サンタバーバラの空港で話しかけてみようかと迷っているうちに出迎えのホストファミリーに連れて行かれた男でした。何しろアメリカに着いて日本語に全く触れていなかった僕は、藁をもつかむ思いで彼に話しかけたのです。「あの、飛行機で一緒でしたよね」と言うと彼はぶっきらぼうに、「ああ、そうですね」と答えました。「どこから来たんですか」と続けて尋ねると、彼は自慢げに「東京の世田谷でございます」と言いました。「世田谷ってわざわざ強調する必要、あるのか?」と、僕はちょっと嫌な感じの奴だなと思いましたが、何しろ日本語に飢えていた僕はしばらく彼と話すことにしました。週末は何をしていたのか尋ねると、「何もすることなくてさー、家の中でタバコ吸ったら外に追い出されちゃってさー」などと言い、「あたりまえだろ、許可も取らずに吸ったのか?」と僕は内心呆れました。さらに話を進めると彼は23歳であることが分かり、どこの大学へ行っているのか尋ねると「成城大学の3年でございます」と言ったので僕はうっかり、「23歳で3年生?」と突っ込んでしまうと彼は怒って、「うっせーな!2ダブだよ!(2年留年している)」と吐き捨てました。どうやら高いであろう彼の安っぽいプライドを傷つけてしまったようでした(笑)。

こんな日本人しか留学に来ないのかと若干ガッカリしながら教室に移動して、僕ら新入生はレベル分けのための入学テストを受けました。その後学校のスタッフがお昼ご飯を買いに近くのスーパーへ連れていってくれたのですが、その時ちょうど雨が少し降って来ました。傘を持っていなかった僕はそのまま歩いていると、小さな日本人の女の子が親切に傘に入れてくれました。彼女の名はナツコと言い大阪の大学でフランス語を専攻している子でした。「良かった、良い日本人もいるんだな。この子と友達になれば良いや」と思って僕は大分ホッとしたのですが、お昼を食べた後のクラス分け発表で小さな事件が起こります。クラスは7段階で、下の方のクラスはほぼ全員が日本人なんて所もあったのですが、僕のクラスの所にはなんと Level 6 と書いてあるのです…「ああ、下から2番目…じゃない!上から2番目!?全然話せないのに!?」と僕は愕然としてしまいました。いきなりレベル7に入る新入生はいなかったので、新入生としては1番レベルの高いクラスに入ってしまったのです…実はこれは日本人に良くあるケースで、ヒアリングとスピーキングは全くできないのに文法とリーディングが得意なので、実力とかけ離れた点数が取れてしまうと言う…かくして僕は実力に分不相応なレベルの高いクラスに入って授業を受けることになってしまいました…。

<一緒に入学した新入生。半分くらい日本人だった気がします>

クラス発表が終わりオリエンテーションを受けて、初日の学校は終わりでした。僕はもうRのことは忘れて(笑) ナツコと他の日本人や外国人たちと帰宅するためバスディーポに向かって歩き始めたのですが、その中に1人のドイツ人の女の子がいました。彼女の名はアンドレアと言い、この留学で僕が唯一、自分の力で仲良くなった外国人だったかも知れません。どういうきっかけで彼女と会話を始めたのか定かではないのですが、僕が下手くそな英語で、前日バスを降りられず”Help me~”だったんだよと言うと彼女は大笑いして、僕に親しみを感じてくれたようでした。このバスの失敗談で彼女と仲良くなれましたので、今思うと週末のドタバタも無駄ではなかったのかなと思います。アンドレアのルームメイトは日本人でその時一緒に歩いていたのですが、彼女は全く英語ができず、アンドレアにどうやって家に帰るつもりなのか聞いて欲しいと僕に行ってきました。「レベル6、頼むよ!」などと言われ若干ムッとしましたが、アンドレアは歩いて帰ると言ったのでそう伝えると、その子は右も左も分からずアンドレアにただついて帰って行きました。補足するとその子はその後も英語を全く話そうとせず、ルームメイトであるアンドレアとトラブルになり、それがホストファミリーとのトラブルに発展し、とうとうホスト先の家を追い出されて退廃的なモーテル暮らしをすることになります。2~3週間後にその子に再会した際は、この時のような失礼なテンションは影をひそめ、げっそりやつれて別人のようになっていました…。アンドレアから事の成り行きを聞いていたので同情はしませんでしたが、英語を話さなければ留学は必ずしも華々しいものではないという典型的な事例だったかと思います。

<唯一自力で仲良くなったアンドレアと学校のソファーにて>

ナツコとバスディーポで別れて帰宅した僕はクリストフとテストの話になり、クラスはどうだったと聞かれたのでレベル6に入ってしまったというと彼はもの凄く驚いて、”Level 6!? Are you level 6!?”と何度も聞き返していました(苦笑)。それもそのはずで、英語がペラペラなクリストフは実はレベル5で、僕より下のクラスだったのです。日本人はテストだけは得意だというパターンを思いっきり証明してしまいました。同じく英語がペラペラだったユンでさえ、僕と同じクラスだったのですから、その後僕がどれほどクラスで貝になったかご想像に難くないかと思います(苦笑)

その日の夕飯を食べた後、僕はアグネスに連れられて新入生歓迎のクラブパーティーへと、2日連続の夜遊びに出かけることになります。続きはまたの機会にご紹介したいと思います。

To be continued.

Santa Barabaraその6。へ続く

※ 英会話SSEAが『みんなの英語ひろば』の取材を受け、特集記事が掲載されました。ぜひご覧ください!

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