英語4技能検定試験に欧米のネイティブスピーカーとの会話が必要な理由

① 受験はもはやペーパーテストだけでは負けてしまう

近年の入試形態は、急速にその傾向を変えつつあります。従来から大学入試ではその配点の半分またはそれ以上が英語による合否でしたがその英語試験の内容が大きく変わりつつあり、ペーパーテストによるものから配点の大きな部分を面接や作文、リスニングのスコアが占めるようになっています。また長文読解も難解な文法を読み解くものより、大量の長文を読み飛ばして記述で論述する形式への変化が見て取れます。

こうした試験には従来型の学校教育や学習塾・予備校の机上での学習では対応が出来なくなりつつあり、英語試験に関しては日頃からの「会話力」と「日本語を介する必要のない英語の感覚」によって決定的な差がつくことになります。こうした「コミュニケーション力」は長期に渡る積み重ねによってのみ向上するもので、残念ながら受験対策で瞬間的に身につけることは出来ないスキルです。表現するなら受験英語とは「短距離走」から「マラソン型」の対策が必要と変わったと言えるでしょう。

<早稲田大学政治経済学部の入試は2021年度より、英語の配点比率が教科全体の62.5%に。独自入試問題は大量の英語長文を読み解く形式>

② 英検・TEAP・IELTSなどの4技能検定には必ず面接とライティングがある

近年の入試形態の特徴としてもうひとつ挙げられるのが、「民間英語能力検定試験」の導入です。英検・TOEFL・TEAP・IELTSなど事前に取得した民間英語検定のスコアが入試にも反映され、スコアが総得点に加点されるものや英語試験の90点あるいは95点としてみなされるパターン、あるいはスコアの提出によって英語試験が免除されるもの等がありますが、いずれにせよこれら民間英語検定のスコアが受験前から決定的な差をつけてしまうことになります。

例えば大学入試なら以前は問題の60%~65%を正答できれば合格ラインだったのが、民間検定が90%換算されることになればその時点ですでに25点から30点の差がついてしまうことになります。そしてこれらの4技能検定には必ず面接とライティングがあり、会話力、リスニング力、作文能力などの「日常的なコミュニケーション力」がスコアに決定的な差をつけます。

③ 試験はすべて、『欧米の英語の音』によって行われる

もう一点見落とされがちなのが、これらの英語試験の音はすべて『欧米の英語の音』であると言う事です。基本的にはアメリカ英語とイギリス英語のみでリスニングが吹き込まれるのが一般的ですが、発音範囲を拡大したTOEICでも英語は「アメリカ英語・イギリス英語・カナダ英語・オーストラリア英語・ニュージーランド英語」の5か国の音によるものです。

試験における英語とは基本的に「欧米の言語」であり、こうした地域にしか存在しない音はフィリピンやフィジー、インド、シンガポールといったアジア圏のノンネイティブスピーカーや日本語を母語としている帰国子女やバイリンガル講師はしっかりとは持っていないものです。確実な英語力に結び付けたいならなおさら、欧米のネイティブスピーカーとの会話訓練を避けて通ることが「目には見えないところで」非常に大きな効果の差をつけて行くことになってしまいます。これは高校までの英検2級程度のような目先のテストの結果では分からない「長期的な貯金量の差」となり、大学生となった頃から少しずつ現れ始めます。

④ 受験が終われば、その先に待っているのは就職も昇進もTOEICによる審査

受験が終わったからもう英語は勉強しなくて良い…そう思っている方はいないでしょうか。英語から逃げれば逃げるほどに陥るのがこの罠ですが、まず大学を卒業して、就職活動で履歴書やエントリーシートと共に提出が必要となったのがTOEICのスコアです。今の大人世代が仕事を探していた頃なら600点あれば「英語も勉強したんだね」となりましたが、TOEICが定着してほぼ全員が取得するようになった現在ではおそらく、プラス評価の対象となるのは740点以上、大手上場企業ならエントリーする学生は当たり前のように800点や900点を持っているでしょう。

そして、TOEICは990点満点のスコアのその半分がリスニング、さらにリーディングも文章が非常に長く常に時間との戦いを要求するシステムになっており、Test of English for International Communicationとの名称が示す通り「コミュニケーション力がなければとれだけ文法が得意でもスコアが上がらない仕組み」になっています。どれだけ一流大学を卒業した人でも会話力がなければ人並みのスコアにも届かないのは、「TOEICとはコミュニケーション力を測定するテスト」だからです。そして企業でも外国人労働者の増加を受けてエンジニア分野でもTOEICのスコアはもはや昇進の条件となり、社会人ならその人生設計そのものに大きく影響を与えるようになりました。理系学部に進学したとしても論文は英語で作成し学会で発表を行う必要もあり、英語を避ければ避けるほど後から壁にぶつかり後悔する結果となります。

⑤ 格差社会が到来し、就職や転職、昇進でのライバルは徹底的な言語教育を受けた外国人スタッフに

そして今後は、社会に出た後にさらに厳しい競争環境に直面します。新型コロナウイルス感染の拡大前から、日本においても正規社員と非正規社員、学歴に留まらないスキルのある勝ち組と机上のテストしかできない負け組の間の格差が開きつつありましたが、アフターコロナの社会ではこうした格差拡大に一層の拍車が掛かることが予想されます。

テレワークや業務のIT化が進むことで逆に、「機械にもできるようなコミュニケーションを必要としない単純労働はそもそも要らない」時代があっという間にやって来ることでしょう。こうした社会では幅広い知識や業務マネジメントスキル、チームの管理能力とコミュニケーション力に欠けるスタッフの業務は「AIかアルバイトか外国人で十分」と考えられることになります。そして現在の日本は労働人口の減少に伴って移民や外国人労働者の流入がかつてない勢いで加速しており、企業側も無意味に人件費の高い日本人正社員よりもこうした新しい労働力を「適材適所」で使用しようと考え始めています。またそもそも、「このIT化の時代に、海外に安く発注できる業務なら国内で行う必要がない」とも考えており、単純労働力がコンピューターや外国人労働力に置き換わることで「外国人も管理できる日本人管理職」と「人件費の安さで外国人には勝てない日本人」の2極化が進行することでしょう。すでにコンピュータエンジニアやプログラミングにおいても、スタッフの大部分が外国人になったようなケースが増えています。

そして日本にやって来る外国人労働者が単純労働だけを担当するとは限りません。日本に移り住んでくる外国人は母国で徹底的にITや経営、金融の実務的なスキルと外国語教育を受けて来たエリートが増加しており、プログラミングのような実務スキルに加えて「母国語・日本語・英語の3か国語」を自在に使いこなすことがすでに当たり前となっています。アジア圏では1流の就職を得るにはTOEIC900点や海外での留学経験を持つことが必須条件となりつつあり、こうした人材を管理することは言語スキルがなければもちろん不可能、むしろ逆に馬鹿にされてしまうばかりか、下手をすれば同僚との競争にも負け外国人が自分の管理者となることも想定されます。こうした環境においてはますます、全ての分野で言語スキルのない人材はただ「格差社会の負け組」となってしまう事でしょう。

SSEAがご提供するサービス

SSEAではこうした社会を見据えて、コミュニケーション力が重視される英語環境に最適な学習法としてネイティブ講師と日本人講師の双方から英語を学ぶ『会話・文法パラレルコース』を設定しております。欧米の本物の英語を話す経歴も一流のネイティブ講師と、バイリンガル講師としてネイティブレベルで会話を使いこなしながらも日本人目線で生徒さまのお悩みやつまずきを理解し受験対策まで指導できる日本人講師の組み合わせは、日本人が本当の英語力を身につけるためには無くてはならない組み合わせです。日本語も英語もネイティブではないアジア人講師やノンネイティブスピーカー、逆に日本人のお気持ちやお悩み、日本の学校や受験環境の理解できない経歴不足の日本人講師は採用を行っておりません。

<従来型の塾と英語塾の英語レベルと環境の格差>

代表講師が「日本人として日本で育ちながら英語を身につけた方法」を、その経験から教育法として実現した学習法がSSEAのオリジナルプログラムです。それは「長い間海外にいたから英語が話せるようになった」「海外の大学やインターナショナルスクールを卒業した」場合には逆に抜け落ちてしまう経験であり、こうした経歴がないからこそ生み出すことが出来た全くオリジナルの、しかし実際にそれが成功した学習法です。

日本のスクールで勉強したい皆さまは、ぜひお試しください。私たちが全力でお手伝いをいたします。

※ 英会話SSEAが『みんなの英語ひろば』の取材を受け、特集記事が掲載されました。ぜひご覧ください!

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フィジーの「木彫りおじさん」

海外旅行の楽しみの一つに、現地の人々との会話があります。旅行先で現地の人が親切にしてくれた思い出は、どんな有名な観光地よりも深く記憶に留まるものです。ですが、海外で話しかけてくるすべての人が良い人であるとは限らないのが残念なところで、特に発展途上国を旅行する際は注意が必要です。今日は僕らがフィジーで遭遇した「木彫りおじさん」のことを書きたいと思います。

僕がフィジーを訪れたのは2004年の6月、社会人になって2年目の頃でした。それまでに僕が訪れたことのある場所と言えば、ハワイ、香港、アメリカ、韓国、台湾、ヨーロッパなど、比較的治安の良い国や先進国ばかりで、思えばフィジーは初めての発展途上国だったのですが、ガイドブックには「安全なリゾート国で、人々は穏やかでフレンドリー」とあったのでそれほど心配はしていませんでした。

フィジーを訪れる人の多くは離島のリゾートで海を満喫する方が多いのですが、ビーチで遊ぶだけではつまらない、現地の町や人々の暮らしを見たいと考えた僕は、離島ではなく本島であるビチレブ島のコーラル・コーストのホテルを選び、近くの町や首都であるスバを訪れる計画を立てました。

思い出せば、異変は入国の段階から始まっていました。入国審査を通り税関に進むと、係員が僕らを制止して荷物をチェック、とここまでは普通だったのですが突然「Give me some money.」と言ったのです。何か関税のかかるものを持っていたかな?と思いつつとりあえず僕は「Why?」と理由を尋ねました。彼らは理由を答えずにただ「Some money.」と言っていたのですが、僕が払うそぶりを見せずにいると、諦めたように「行っていいぞ」というようなジェスチャーをしました。税関の職員と言えば国の職員のはずですが、その立場を利用してこのように「money」と言えば、きっと訳が分からないまま払ってしまう人もいるのでしょう。国の職員や警察でも完全には信用できないのが発展途上国なのだと、初めて感じた経験でした。

コーラル・コーストのリゾートホテルに宿泊して、近くの素朴な町や美しいビーチ、フィジーの伝統的なダンスと食事を満喫、と滞在は素晴らしいものでした。フィジーを訪れて2日目、僕はレンタカーを借り、首都のスバを訪れることにしました。スバまではホテルから、一本道を約3時間のドライブです。道を走っていると、現地の人は道端でオレンジを売っています。それも村を抜けるたびに…

果たして一日に何個売れるのだろう?と疑問に思いつつ、車は首都のスバに入りました。

南太平洋の島国に立派な町があるものだと思いながら駐車場を探して、信号待ちで停車していた時です。ある男が車に近寄ってきて「次の交差点を右に曲がればパーキングがあるぞ!」と言うのです。どうして駐車場を探していると分かったのだろうと思いながら右に曲がると、確かに駐車場が。車を止めて降りるとそこにさっきの男が現れて、「Lock nicely.」などと言っています。そして「どこへ行きたいんだ?」と言うのでショッピングをすると答えると、「ついて来い」と。 この男は何なのだろう?と少し怪しく思ったのですが、フィジーの人は陽気でフレンドリー、とガイドブックにあったので、とりあえず行ってみることにしました。彼は歩きながら、「自分は元ラグビーの選手で、日本に行ったこともある。僕らの滞在していたホテルで働いていたんだ」、などと言います。今思えば怪しい臭いがプンプンする内容なのですが、現地の人と触れ合いたいと思っていた僕は不覚にも彼の会話に引きずり込まれて行きました。

(男の後姿。残念ながら正面からの写真はありません…)

ショッピングをしている時も彼は通訳などをして、さあ次はどこへ行く?と言うので僕はそろそろ昼食を食べる、と言うと、レストランの近くの広場に僕を連れて行き、「自分はそろそろ行かなければならないが、君と友達になった証に木彫りの人形をプレゼントするよ。僕は国に登録されている木彫り職人だ。君の名前のイニシャルを彫るから教えてくれ」とライセンス(本物かどうかは不明)らしきものを見せながら言います。そしてイニシャルを彫った木彫りを僕に渡して、「Give me some money.」と言うのです。まあ、親切にしてくれたし、チップくらい払うかと思い5ドルほどを渡すと急に顔つきが変わり、「これでは足りない。この木彫りはハンドメイドで高いんだ。イニシャルも彫った。」と迫って来たので、カチンと頭に血が上った僕は「I don’t need this.」と木彫りを突き返し、その場を立ち去りました。その男は元ラグビー選手と嘘をつくぐらい立派な体格の男で、今思えば本当に危ないことをしたと思うのですが、人のいないような場所ではなかったのでそれ以上追っては来ませんでした。果たしてこのような状況で身を守るためにお金を払うべきかどうかは意見の分かれる所だと思いますが、それ以前に最初について行ってしまったのが最大の間違いだったのだと思います。

後でガイドブックを見ると、読者の投稿に「木彫りおじさんに注意」とのコラムが。どうやら彼は日本人を狙ってこんなことを繰り返している有名人だったようです(苦笑)

その後も色々な発展途上国に行きましたが、大体親切に話しかけて来る人はお金目当てであることが多いです。タクシーなんかも、客引きをしている車に乗ったらメーターが細工してあり、法外な料金(と言っても日本人にはたいしたことない額ですが)をボラれたなんてこともありました。いつも途上国に行くと「現地の人と会話したい」と言う欲求と「お金を取られる」という警戒感の間で揺れてしまいます。必要以上に警戒することは旅の楽しみを減らしてしまいますが、途上国では自分の身の安全は自分で守る以外ありません。特に日本人は狙われていて、警察すらグルである可能性もあります。みなさんも海外を旅行するとき、特に途上国では、危険な行動や場所には気をつけて下さい。

追伸  途上国の全ての人が悪い人間である訳ではありません。本当にいい思い出や出会いもあります。それは皆さんの目で、確かめてみて下さい。そんなことも旅の楽しみの一部であると思います。

※ 英会話SSEAが『みんなの英語ひろば』の取材を受け、特集記事が掲載されました。ぜひご覧ください!

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