スピード違反で捕まった(フロリダ編)

2013年の年末から14年の年始にかけて、アメリカのテキサス州・ルイジアナ州・フロリダ州をレンタカーで周りました。13日間の旅行は良いことも悪いことも盛り沢山でしたが、色々な意味で最も記憶に残ったのは、フロリダで「スピード違反の取締り」に引っ掛かった事です。

(フロリダ南部の地図 マイアミからキーウエストまで約4~5時間のドライブ)

12月31日、旅行も終盤に差し掛かった大晦日の朝、僕らはアメリカ最南端の島、キーウエストを早朝に出発し、マイアミビーチを目指しました。キーウエストとフロリダ半島の間は片道1車線のUS-1号線があるだけなので、混まないうちに抜けてしまおうとしたのが間違いだったのかも知れません。早朝なので車は少なく、時速45マイル(72km)で順調に走っていました。二時間半ほど走りもうすぐフロリダ半島に入る所で、ガソリンスタンドでトイレ休憩を取りました。この休憩が運命の分かれ道だとは知らず…

(フロリダ半島からキーウエストまで続くUS-1号線。海の上と連なる島々を抜けて行きます)

休憩を終え、マイアミまでもう少し、「さあ急ごう」と僕はスピードを45マイルまで上げて行きました。その時、前後には全く車がいませんでした。時速45マイルにスピードが達した時、急にルームミラーに赤と青の光が映りました。どこかで見たことのある光…「そう!パトカーだ!」と気づいた時は既に手遅れです。ガソリンスタンドの近くで隠れていたスピード違反の取締りに引っ掛かってしまいました…

実は、アメリカでスピード違反で捕まるのは2度目でした。さかのぼる事10年以上前、初めて留学した時にカリフォルニアで捕まった事があります。(その時のことはまた改めて書こうと思います。)それ以降、アメリカの取締りが厳しい事は知っており気をつけてはいたのですが、ふと気が緩んでしまいました。

(取締りのパトカー。赤と青の光の点滅が後ろに見えたら素直に諦めましょう)

「ああ、しまった!」とは思いましたが、以前に捕まった経験があったこと、前回の罰金はクレジットカードで払えたことから、その時はそれ以上深い心配はありませんでした。車を止めると警官がパトカーから降りて来ます。窓を開けると彼は「Hello, how are you?」とまるでお店の店員のように気さくに話しかけて来ました。スピード超過の旨を伝えられ、日本の免許証とレンタカー会社発行の免許証の翻訳文(州によりますが、アメリカでは国際免許証の代わりにこのような翻訳文を使う事ができ便利です。あくまで有効なのは、日本の免許証原本とされています)を渡すと彼はパトカーに戻り違反チケットを作成して戻って来ました。スピード違反の手続きは一応、違反した地区の裁判所への出頭となるのですが、旅行者などは行ける訳もないのでその時間が無いと伝え、罰金の額を尋ねたところ、なぜか「分からないから1月2日以降に電話してくれ」と言います。聞いたところによると31日と1日は祝日のためオフィスが閉まっていると… 「オフィスは休みなのに取り締まりはしっかりやるのかよ…3日の飛行機で日本に帰るんだが…」と手続きがすぐに出来ないことに不満を覚えましたが、「まあカード番号を電話で知らせれば済むだろう」と、その時は深く考えずにその場を離れました。

マイアミに到着し、ホテルのコンシェルジュにチケットの処理方法を尋ねると、コンシェルジュはチケットを読んで「ここの地区のチケットはどうやらカード払いが出来ないようだ。1番簡単な方法はマネーオーダーを購入して送ることだ」と言います。10年以上前でもカードが使えたのに、なんてド田舎の警察署だ…と呆れましたが、その「マネーオーダーって何だ?」という所から始めなければなりませんでした…聞いたところ、マネーオーダーは公共のスーパーやドラッグストアで手続きをする小切手のようなもので、それを購入して郵送しなければならないと言います。ですが罰金の額が分からなければマネーオーダーを購入することも出来ず、結局2日までは出来ることは何もないと…

日本に帰る前日に、朝オフィスが開くのを待って電話をし、マネーオーダーを購入出来る場所を探して手続きをして、さらにそれを郵送する…最低でも2時間はかかるだろう… 罰金を払うことより、旅行の限られた貴重な時間を奪われ、そのせいで行かれるはずの場所が減るだろう、その事が何より頭に来ました。もちろん自業自得なのは頭では分かっていましたが、不満をぶつける場所もなく、街は新年のカウントダウンで盛り上がっていましたが、天気が悪かったのも拍車をかけその日1日は暗い気分を抜くことができませんでした…

2日の朝、コンシェルジュで罰金の額を確認してもらい、マネーオーダーを探しに出掛けたのですが、何しろマイアミビーチは観光地なので、大きなスーパーというものが中々ありません。ドラッグストアで断られ、銀行で断られ、30分ほど歩いてようやくマネーオーダーを扱うスーパーを発見しました。急いでホテルに戻り、コンシェルジュに世話になりつつ書類を記入し、ポストへの投函はホテルに頼み、ようやくチケットの処理を終えることが出来ました。やはり2時間ほどロスしたのに加え、罰金280ドルにタクシー代にコンシェルジュのチップと散々でしたが、実はこの不運が思わぬ出来事に繋がったのです。

(苦労して探したマネーオーダーとお世話になったマイアミビーチのホテル)

コンシェルジュでチケットの処理をしていた時に、1人の他の若いホテルスタッフが話しかけて来ました。「ああ、スピード違反のチケットだね、運が悪かったね…。ホリデーシーズンは取締りが多いんだ、僕の兄弟は1年に何度も捕まってるよ」「どこから来たの?」などと話してくれ、僕らが日本から来たと言うと、彼は「実は僕は日本の文化に興味があって日本語を学んでるんた。いつか日本にも行ってみたいよ」と話してくれました。感じの良い好青年だったので、僕は自分のメールアドレスを渡して「日本に来る時は連絡を下さい、東京を案内しますよ」と伝えると、彼も自分のアドレスを教えてくれました。彼は僕らの荷物を車まで運んでくれ、一緒に写真を撮り、お互い「See you again!」と約束をして別れました。

彼とは今でもメッセージのやり取りをしますが、「初めて日本人の友達が出来たから、とても嬉しいよ!」と言ってくれます。スピード違反については散々でしたが、そのおかげで新しい友人が出来たのだから、結果的には良かったのだと今は思っています。次に彼に会った時はきっと、田舎町のパトカーに感謝出来ることでしょう(笑)

<アメリカで運転する際は>

※ 駐車違反スピード違反に気を付けましょう。どちらも取締りは厳しく、駐車違反は違反すればほぼ確実に取られます(頻繁に巡回している)。スピード違反は特に早く走行している車を捕まえるのではなく、5マイルでもオーバーしていればパトカーが最初に見つけた車が捕まります(見せしめの要素が大きい)。前後の車が速く走っているときは、列の一番前や後ろを走らないようにしましょう。また田舎の町中など制限速度が下がっている区間、ホリデーシーズン、周りの車が妙にゆっくり走っている時は要注意です。また必ず「日本の免許証」と「国際免許証または公的な翻訳文」を所持して下さい。レンタカー会社によっては日本の免許証の提示だけでレンタカーが借りられる場合がありますが、万が一の事故や違反時に英文の免許がないと大変なことになります。また英語ができないフリをして見逃してもらったという経験談を見た事がありますが、これは警官によっては警察署へ連行されるリスクがある事を覚悟しましょう。

※ 英会話SSEAが『みんなの英語ひろば』の取材を受け、特集記事が掲載されました。ぜひご覧ください!

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