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例えば日本では「持ち帰りたい」は「テイクアウト」ですが、これはかなりの和製英語で、使用しても通じない可能性が高い表現です。だいたいアメリカのファストフードのお店では店員に”For here or to go?”=「ここで食べるのか、持ち帰りですか?」と聞かれるのが一般的です。またお会計では”Cash or charge?”=「現金ですか、カード払いですか?」も頻出の決まり文句です。”to go”が持ち帰り、”charge”はカード払いと知っておかないと、ファストフードとは言え四苦八苦する可能性もあります。また「フライドポテト」は”french fries”、「バリューセット」は”value meal”と、日本で使われている表現とはだいぶ違うものもあります。本日は僕が若かりし頃に大失敗した「ハンバーガーを単品で」頼むためのフレーズを、エピソードと共にご紹介したいと思います。
そして、TOEICは990点満点のスコアのその半分がリスニング、さらにリーディングも文章が非常に長く常に時間との戦いを要求するシステムになっており、Test of English for International Communicationとの名称が示す通り「コミュニケーション力がなければとれだけ文法が得意でもスコアが上がらない仕組み」になっています。どれだけ一流大学を卒業した人でも会話力がなければ人並みのスコアにも届かないのは、「TOEICとはコミュニケーション力を測定するテスト」だからです。そして企業でも外国人労働者の増加を受けてエンジニア分野でもTOEICのスコアはもはや昇進の条件となり、社会人ならその人生設計そのものに大きく影響を与えるようになりました。理系学部に進学したとしても論文は英語で作成し学会で発表を行う必要もあり、英語を避ければ避けるほど後から壁にぶつかり後悔する結果となります。
まず根本的な勘違いとして、世界に「イギリス」と言う国家名自体が存在しません。このイギリスと言う日本でのみ使用されている国名は、遡ること江戸時代に日本に入って来たポルトガル語「イングレス」やオランダ語「エンゲルシュ」が国内で「エゲレス」と訛ったものが残っているものであり、世界のどこへ行っても「イギリス」と言う国家名を理解出来る場所は存在しません(苦笑)日本でイギリスと呼ばれている国家の正式名称は、「グレートブリテン及び北アイルランド連合王国」、英語名では”the United Kingdom” (通称the UK)であり、United(連合)Kingdom(王国)の名前が示す通り、4つの旧王国であるイングランド、スコットランド、ウェールズ並びに北アイルランドが連合国として国家を形成しているものです。つまりイングランドとは”the United Kingdom”の一部でしかない訳であり、「イギリス=イングランド」と言う認識はイングランド外の英国市民にとっては失礼以外の何者でもありません。歴史上、イングランドがウェールズ、スコットランド、北アイルランドの順に征服をして形成されたためイギリス女王=イングランド女王であるのは紛れも無い事実として今も残っていますが、イングランド女王も日本の天皇制と同様に政治的な権限のない国家元首となっており、英国=イングランドとの認識は100%間違いです。
また、”fish”と言う単語の複数形についても考えてみましょう。この単語は単複同形で、数が増えても”a fish, two fish, three fish…”となりますが、辞書には”fishes”と言う複数形も記されています。これはどういう理由かと言うと、同じ種類の魚は何匹いても”fish”ですが、複数の種類の魚に関しては一部の地域では”fishes”という複数形を使用することがあるためです。ニューヨークでは魚は何匹いようが何種類いようが単複同形の”fish”ですが、辞書にも記されている通り複数形を使用する地域があるのもまた事実です。これはネイティブスピーカー同士でも意見が分かれてしまう内容でどちらが正しいと決めることはできず、「2つの使い方がある」と結論づけるしかありません。
目的地はガイドブックにも載っている有名なモスクだったのですが、相変わらずのように運転手は場所を知りませんでした…地図を見せて走り始めたものの正確には場所を把握していなかったようで、道に迷いあちこち回ったり道を聞きに行ったりして、ようやくたどり着いたのは良かったのですが、交渉して決めた料金を払って降りようとすると運転手は「たくさん走ったからもっとよこせ」と言い始めたのです…そんな後から要求されたお金は払えませんし、そもそも道に迷ったのは運転手のせいで払う義理は全くありません。「迷ったのはあなたのミスでしょ?」と言いましたが運転手はしつこく追加料金を要求して譲らず次第に口論になり、とうとう僕は怒りが限界に達して「It’s your fault, IT’S YOUR FAULT !! OK!!??」(それはお前の責任だろ!! 分かったか !?)と怒鳴りつけて最初に決めたお金を叩きつけて強引にタクシーを降りました。余分な料金は払わずに降りたものの、しばらく怒りで気分が悪かったのは言うまでも無いかと思います…
サンフランシスコで他の車たちと別れ、サンタバーバラへ帰る高速道路を僕は運転していたのですが、ちょうど半分くらい来たあたり(SF-SB間は車だと約6~7時間)で、車が突然ガタガタと揺れ始めました。その揺れはかなり激しくハンドルも右に左に取られる感じがしたので、僕は経験が無いながらも薄々「タイヤがパンクした(got a flat tire)」のだと気付きました。高速を降りて車を止めると、見事に右前のタイヤがペチャンコに…付近は真っ暗で助けを求めようにもガソリンスタンドひとつ見当たりません。途方に暮れた僕らは相談した結果、スペアタイヤに交換しようと言う結論になったのです…
セバスチャンがタイヤの交換の経験があったので、スペアタイヤをトランクから出してジャッキアップまでは出来たのですが、タイヤのナットが固くどうしても外す事が出来ません。灯りもなくデジカメの液晶の明かりで照らしながら雨の中格闘しましたが、どうにもならず途方に暮れていると、ジェニファーが通りかかった1台の車に助けを求めました。親切なアメリカ人のおじさんは僕らがタイヤが交換できずにいることを知ると手伝ってくれ、僕に運転席でブレーキを踏む(Step on the brake!)ようにと言いました。そうして格闘すること15分、なんとかおじさんの助けでタイヤを交換することができ、親切なおじさんはお礼を言う間も無く行ってしまいました。かくして僕らは交換したタイヤでそろそろと走りながら、サンタバーバラへ帰り着くことが出来たのです。