イノベーションとは何か

 “innovation”は日本語では「革新」を表す言葉です。ざっくり一般的に言うと、それまでに無かったアイデアで何かを劇的に、あるいは根本的に変える行動や発明のことを指します。

 では、”innovation” とは完全に新しい概念によるものなのか、と言うと、実はそうではありません。それらは実際は、ほんの些細な「気づき」によって生まれるものです。

 身近なスマートフォンを例に挙げてみましょう。Appleのスティーブ・ジョブズが生み出したiPhoneは、それまでの生活やアイデアを完全にひっくり返したイノベーションであることは間違いありません。「スティーブ・ジョブズは天才だった」と言う人は世界中に数知れず存在します。しかし、ジョブズのアイデアとは実は、本当に小さな発想の転換でした。そしてそれは彼にとっては、実は非常に当たり前の結論だったはずです。

 Appleが2007年に世界初のスマートフォンである初代iPhoneを発表する以前から、類似の製品は僕が大学生であった2000年前後の頃にすでに、日本には存在していました。当時のガラケー(フィーチャーフォン)は既に、インターネットへの接続機能とソフトウェア(アプリ)の追加機能を持っていました。ガラケーにゲームをダウンロードしてプレイしていた方も多かったのではないでしょうか。ネットへの接続機能とソフトウェアの追加機能は、今日のスマートフォンとほぼ同じアイデアです。もちろんカメラも既に搭載していましたし、一部の機種は電子マネー機能すら有していました。ただしそのアプローチはあくまで、「携帯電話にコンピューターの機能を加える」と言うものでした。なぜならその当時の携帯電話は電子機器メーカーではなく、通信キャリア(携帯電話会社)が主導して開発をしていたからです。

 ジョブズが考え出したのはシンプルに、これと逆のアプローチ「コンピューターに携帯電話(通信機能)を追加する」、と言うアイデアです。この逆の発想がそれまでの携帯電話をすべて駆逐する絶対的な差となったのですが、アイデア自体は「完全に新しいもの」ではありません。それまでに存在していた技術に「反対からアプローチした」と言う本当に小さな気づきです。それはAppleと言う「コンピューターの会社」をしていたジョブズにとっては、至って自然な気づきだったに違いありません。ただそれを「1番最初に実行」しただけのことです。しかしこの気づきを「実行した」ことこそが、”innovation”と呼ばれるべきことです。気づくだけなら、遅かれ早かれ何人もの人間が出来たことでしょう。その意味ではジョブズは「天才」ではなく「実行者」だったと僕は考えています。

 Amazonのネットビジネス、SNSのfacebookやtwitterにinstagram、Google検索もすべて同じ事です。彼らはそれまでの社会から得たアイデアを「誰よりも先に実行した」からこそ、イノベーションを起こす事が出来ました。「気づき」は絶対的な差を生むものですが、気づくこと自体はそれらの人間のみに可能だった事では決してありません。気づかなければもちろん何も生まれませんが、それを「先に実行した」ことにこそ真の価値があるものです。

 歴史上の革新は全て、気づいた後の「行動」から生まれたものです。重力の概念はニュートンが「物が落ちるのは、地球が引っ張っているのではないか」という気づきを「研究した」からこそ成立した理論ですし、コロンブスによるアメリカ大陸の発見は「地球を反対に向かって進む」ことを実行した偶然の産物です。宇宙が回っているのではなく地球の方が回っているのだと言う地動説は、ガリレオが研究を進めるはるか以前の紀元前から、「地球が宇宙の中心ではない」と言う説が存在していました。ただそれを立証出来たかどうか、という「行動の差」です。気づくこと以上に、それを実行した事にこそ”innovation”がありました。

 「気づく」ことは簡単なことではありません。常識を疑うことが出来るのは、ごく限られた一部の人間のみに可能なことです。しかし、それに気づくことが出来る人間とは実は1人ではないのです。ただしそれを「最初に実行するのは、歴史上に必ず1人しかいない」と言うことです。この実行を最初に成し遂げた人間にのみ、”innovation” の称号が与えられます。

 気づくだけ、考えるだけでは何も生まれません。そのアイデアが正解であろうが不正解であろうが、実行して初めてそれは価値あるものになります。1つの成功とは10,000の失敗からこそ生まれるものです。

 失敗を恐れず、何事も挑戦してみましょう。世界には「やる」と「やらない」という2つの選択肢しかありません。例えばみなさまが英会話の勉強を「実行して」新しい自分の価値を作り出せたなら、それはみなさまの中の小さな、しかし確実な”innovation”です。どんな変化でも、成功のファーストステップとは最初は本当に小さなもののはずです。しかし初めはわずかな変化であったとしても、それを進めて行くことで最終的なイノベーションとなります。一方で、もし何も行動に移さなければ、当然ですが世の中にもみなさまにも、何の変化も訪れません。イノベーションとはそれまでに無かった事を実行に移すこと、それは前例がないので

「やってみなければ、分からない」

“Do it, or not?”

八方美人は、実は誰にも優しくない

 この記事は一見、英会話の学習には関係なく聞こえるかも知れません。しかしこの内容は国際社会でコミュニケーションを図る上では非常に大切なことで、英会話を学ぶ全ての方に知っておいて頂きたいと僕は考えています。

 国際社会でのコミュニケーション、英語でのコミュニケーションでは、「自らの意思や意見を明確に伝えること」は非常に大切です。日本では「察する事は美徳である」ような風潮がありますが、文化や考え方の異なる外国人とコミュニケーションを取る上でこの考え方は全く通用しないばかりか、意思を伝えないことはコミュニケーション自体を放棄しているとみなされる事もあります。文化として日本の中でそれが美徳であること自体は否定しませんし、国内ではそれで良いと思います。しかし残念ながら、それはあくまで国内の同じ日本人同士でしか美徳にならないことです。外国人とコミュニケーションを取る上では、意思を伝えない事はただの失礼にしか当たりません。

 また同様に、「空気を読んでただ合わせること」も国際社会では軽蔑の対象にしかなりません。それは自分の意思を明確にしない事で「自分だけを都合よく守っている」とみなされるからです。意見を言わないことは自らの身を守るための逃避であり卑怯な行動でしかないのが、考え方や価値観の異なる相手とのコミュニケーションにおける評価であり現実であると言えます。

 このような行動を身近な例で上手く理解するのに役立つ好例が「八方美人」です。誰にも優しく、波風を立てるのが嫌いで、全ての人に親切にして、自らの意思や意見を持たない、または言わずに隠している。このような行動は一見「優しい人、思いやりのある人」のように見えます。しかし歴史の中で「八方美人」と言う表現が生み出されたこと自体が象徴するように、実はこのような行動こそが「全ての相手に最も優しくない」のであり、「実は自分だけを大切にしている欲である」と言えます。

 価値観の異なる国際社会を例に用いなくても、身近な範囲でAさんとBさんの意見や考え方が異なると言う事はいくらでもあります。そうした際に波風を立てるのを避けてAさんにもBさんにも一見優しいような言葉や態度を見せれば、結局のところその人間はどちらからの信用も失います。AさんとBさんに反対のことをその場しのぎで言えばただの嘘つきですし、どちらに対しても意見を示さなければ当然どちらからもその場だけ都合の良い人と評価され、信用されることはまず無いでしょう。これが典型的な「八方美人」の概念です。「全ての人に親切にしよう」とすれば、「全ての人からの信頼を失います」。そしてそれは「全ての人を裏切っていること」と同じです

 厳しいように聞こえるかも知れませんが、英語で外国人とコミュニケーションを取るならば「自らの意見と立場を述べられること」と言うのは最低限の礼儀でありマナーです。「自分自身を持っていない人」と言うのは、国際社会では全く相手にもされません。自らの中身を包み隠さず明確にすることで初めて、その価値観や文化の異なる相手に認められ信用を受けることが出来ます。これは言語のスキルが高い事よりも、遥かに大切なことです。自らの意見や意思がなくただ誰にでも親切に良い顔をしようとすれば、誰からも十分に信用をされることはないでしょう。自らはどのように考えていて、自らはどのような価値観を持っていて、自らはどのような立場で、その考え方に沿ってどのように行動をしているのか。これは英語でのコミュニケーションに限らず、今後の国際社会で異なる価値観と接して行くためには必ず持っていなければならない「強さ」であり「真の親切であり優しさ」であると僕は考えています。

 もちろんその上で、ただ自らの立場に固執して相手を否定すれば良いと言うものでは決してありません。合わせるのではなく「お互いの違いを確認してその違いをまず認め合い」、そのことを認識した上で「どう歩みよって共生出来るのか」を考える必要があります。もちろん相互に必ず譲れないこともあるでしょうし、無理に片方が片方の価値観を強制することは衝突を生むだけです。一定の距離を保って「許容し合う」ことが大切です。

 しかしながら、全ての相手に良い顔をしようとする「八方美人」は、まずその相互の違いを認めると言う段階に辿り着くこと自体を放棄しているのです。それは他人との違いを生みたく無い、認めたくないと言う点において「最終的に自分だけが可愛い」のであり、一見優しいように見えて「全ての相手に対して最高に冷たい」行動となります。「察することが美徳」「空気を読んで合わせる」事を良しと考える日本社会は、それは国際社会では全く通用しない「最も失礼で親切でない行動」であることを理解する必要があるでしょう。

 日本社会の「他人の気持ちを推し量る」こと自体は世界に誇るべき最高に価値あることだと僕は思いますし、人の気持ちや立場に立てないのであればそれはただの自己中心でしかないでしょう。しかしながら人の気持ちを推し量る事が出来るなら、その推し量って理解したことを基にして自分の考えを持って明確に意見を発する事が大切です。「推し量った結果何もしない」ことは結果として、自分だけを大切にして全ての他人を傷つける結果となります。あちらにもこちらにも良い顔をしようとするような国が、他国からみて信頼をされる事はあり得ません。他国の状況や気持ちを推し量りながら、自らの明確な意思と立ち位置を持つことが大切です。

 英話を話すことで「異なる存在を理解しようとする姿勢」「自分がどう考えるかを常に発する能力」を養い、その意思を持って明確に行動を取ることが出来る今後の日本であって欲しいことを私たちは切に願っています。世界にはまだ、解決すべき様々な問題があります。大切な価値観や社会システムを育んでいくことは世界の全員の義務であり、侵略や虐待を見過ごすことは全ての人の共犯となります。時に制裁が必要なことは、親が子供を怒る必要があること、警察官が銃を持っている必要があること(使えと言っているのではありません)、社会に刑罰が必要なことと同じです。常に優しければ、波風を立てなければ良いと言うものでは決してありません。八方美人であること、罪を見過ごすことは、「誰かを不幸にすることを手助けしている」事だと言う事を、私たちは知っておく必要があります。

 「自分の国さえ良ければそれで良い」と言う内向的な考えから脱却し、衝突することを恐れず世界を変えて世界に貢献出来る、そのような日本の更なる成長とその未来を担って行く一人一人のみなさまを、私たちのスクールが少しでもお手伝いが出来たら幸いです。より良い世界を実現することこそが、周り回ってより良く平和な日本を実現することです。見過ごすことや何もしないことはいつか、必ず自らの身にマイナスとなって戻って来ます。

 みなさまは日本と世界の未来に何を望むでしょうか。もし望む未来があるならばぜひ、事なかれ主義や八方美人に逃げることなく「自らの意思を持って意見を発信」してみましょう。例え失敗や意見の衝突があっても、その1万回の失敗と挑戦こそが1つの大きな成果を必ず生み出します失敗が無ければ成功とは絶対に生まれ得ない、僕はそのように考えています。私たちの世界と未来は、私たち一人一人が少しずつ変えることができます。それは全て私たち次第なのであり、同時に全ての私たち一人一人の責任でもあります。それならば目をつぶるよりも、より良い未来と世界を実現する方が良いに決まっています。

日本から世界を変えに行きましょう。主役は、あなた自身です。

Sweet to everybody means not sweet to anybody.

「育てる」ときに大切だと思うこと

 しばらくぶりのブログ投稿になります。今日は「育てる」と言うトピックについて、書いてみたいと思います。

 日々多くの生徒さまに接しながら感じることなのですが、「その方の力をどうやったら伸ばしてあげられるか」と思い悩むのは、教育に携わる方のみならず、子供をお持ちの全ての親御さまや、企業や組織で社員や後輩の育成に携わる方まで、多くの人々が「難しい」と感じることなのではないかと思います。本日は僕が「人を育てる」ことについて「欠けてはならない」と思うことを2つ挙げてみたいと思います。

最初に結論をシンプルに箇条書きしてしまえば、この2つは英語教育に限らず、必ず必要なことなのではないかと思っています。

A:相手の成功体験を作ることで「自信とやる気の土台を作ってあげる」こと

B:相手に教える行為が「自分のためではなく、相手の利益になっている」こと

 まず「自信とやる気を作ってあげる」ことですが、これは人生の全てにおいて、もっとも大切な基礎であると僕は考えています。英語に関して言えばもちろん「単語」や「文法」、「発音」や「スピーキング力」など、スキルとして指導しなければならないことは限りなくたくさんあるのですが、そのステップに進む以前に、まず学習される方に「モチベーション」が無ければ、どれだけ内容が素晴らしい指導でも時間や費用の無駄になってしまうものかなと考えています。モチベーションとは動機、つまり「何かを頑張るための目的」です。

 「帝王学」という学問がありますが、これは将来に大きな組織のリーダーとなるためにはとにかくまず「揺るがない自信」を醸成することが大切と考え、幼少期にはとにかく褒めることや成功体験を積み上げることで、大人になったときに困難なことがあっても崩れてしまわない強さと自己に対する自信をまず作り上げることを目的としているように思えます。そして帝王学の基礎はまず「幼少期」にありますので、何より子供とは「まず自らの親に認められる」ことに全てがあり、そのステップをクリアすると次は「友だちや先生に認められること」となります。日本にも「三つ子の魂百まで」とのことわざがありますが、人生の70%以上は、実は生まれた直後の家庭での体験に左右されるものかも知れません。

 ですので僕が子育てをされる親御さまにまずお勧めしたいのは、否定による教育を重視しすぎないと言うことです。もちろん、一定の負荷をかけることで耐性を持たせることも必要なのですが、これに偏ってしまうと、スキルは一見は身についているように今は見えても、将来に自信が持てずに自我が崩壊してしまいます。「良く出来たことは手放しで褒めて、悪いことをしたら叱る」、この両方がバランス良く存在して初めて、褒めることと叱ることは相互に効果を発揮できます。

(誤解を招かないように強調しておくと、これまでの否定が中心の教育では上手く行かないから、何があっても叱らず、悪いことをしても無理矢理ただひたすら褒めれば良い、ということも明らかな間違いです。英語では甘やかすことを”spoil”と言いますが、spoilの本来の意味は「ダメにすること」との意味であり、褒めることを良しとする欧米社会においてさえ、甘やかすことは虐待であるとの価値観が存在していることは言語そのものが証明しています。あくまで「正しい価値観を伝え、それが達成されたときだけ褒める」ことが必要です。)

 また、この「成功や達成を認めてあげることの重要性」は子育てに限らず、全ての「育てること」において共通に必要なことではないかなと思います。人は他者に認められて初めて、至らない点を呑み込むこともできます。これは人間の「自我」の存在を考えればむしろ科学的かつ合理的なことであり、アメリカでは人事のマニュアルにまで記載されている内容だと聞いています。努力を促すためにはただ否定するのではなく、まずは「認めてあげる」という作業が最初に必要です。人に認められているという「自信」があって初めて、人間は自らの欠点を受け入れて改善したり、自らの気持ちに余裕を持ってマナーやルールを守ったりすることが出来るようになるためです。ですので、自信を崩すような言い方や教育は、どのように指導内容が素晴らしいものでも、どれだけ言っていることが正論でも、その前の段階でまったく効力を得ることができません。

 次に「育てることは、自分のためであってはならない」という点です。私たちはみな人間ですので、教えられている側は必ずどこかで「この人は自分のためにそう言ってくれているのか、ただ自分の面子や利益のためなのか」を感じ取っています。

 例えば、将来は「良い大学に行った方が良いに決まっている」ことを相手に伝えるとして、それが「本人の利益を考えてそう言っているのか」、それとも「親としての面子や自己満足のためなのか」、あるいは「塾や先生の実績や利益にしたいだけなのか」によって、同じ内容でもまったく効果が変わってしまいます。人間とは不思議なもので、まったく同じ言葉や文章からでも、その他の要素、例えば日頃の行いや話し方、表情や指導している人のヒストリーなどから、「相手が自分の利益を重視しているのか、それとも単純に相手の利益のために言っているだけなのか」を総合的にかつ本能的に判断するものです。

 ですので、相手に何か改善や努力を促したいのであれば、まず「それが本当に相手にとって利益になるのかどうか」、「そもそも、その相手にとっての利益や幸せとは何なのか」から、まず考え直してみる必要があるのではないでしょうか。価値観や幸せの定義とは世代によって、個人によっても違うものですので、自分の考えや成功体験がその「育てたい」相手にとって、本当に同じような利益であるとは限りません。その世代やその相手の性格など、「育てる相手の視点」から本当の利益とは何かを理解して、その利益を実現するためのサポートを提供してあげることが教育なのかなと、僕は考えています。つまり主役は育てる側であってはならず、あくまで「育てられる人の未来」であるべきです。

 日本人とはその歴史的な背景や民族性から「当初より強固なアイデンティティを備えている」と、世界の様々な人間を観察して来た結果として僕は感じています。それはつまり「否定されても揺るがない強さと自信」であるため、日本では体育会のようなしごき文化で指導を行っても、大半の人はポジティブな面を得ることが出来たのではないかと思います。定義の議論はさておき、日本という国は少なくとも他国に侵略を受けた経験が無く、文化的アイデンティティが強固に守られ続けて来ました。国が出現した時から王族が一度も変更されていない歴史を持っているのは、世界広しと言えども日本は世界で唯一の存在です。これまで「本質的に」「文化的に」否定された経験が薄いからこそ、少しのことでは揺るがないアイデンティティを維持していると言えるでしょう。

(話は脱線しますが、太平洋戦争の後に米国は日本を「支配」せず文化的アイデンティティも否定しなかったことは、直前まで戦っていた敵国だったにも関わらず、(米国の利益にも叶ったとは言え)どこまでも冷静で秀逸な判断だったと思います。)

 この点に関しては良い点と悪い点、メリットとデメリットが存在しています。自信があること自体は基本的にポジティブに作用しますので、逆境に負けずに耐える力、冷静に目標に向かって感情をコントロールする力、余裕があり他者に親切に出来たり異質なものを比較的容易に受け入れる受容性などは、ナショナリズムを離れて客観的に比較した場合でも他国より優れているように感じます。この点はまさに「アイデンティティが強固である」賜物ではないかと思います。

 一方で「育てる」という観点から見た場合に、否定されても揺るがない経験に慣れてしまっていることから、「否定することは普通で、耐えられない方がむしろ悪い」という暗黙の思い込みを常識として文化に内包してしまっています。これまで、国内のほとんどが日本人で、同質的な文化を維持している場合に限ってはそれでも良かったのですが、経済や情報がグローバル化し、国内でもより多様な価値観への対応が迫られるようになった現代社会では、これまでの「育て方」はまったく通用しなくなって来ています

 現代社会はインターネットで常に海外の情報と繋がっており、人は常に「自らと海外の人々」を無意識に比較し競争する環境に置かれていますので、これまでのように否定を中心とした育て方では「成功体験が最終的には得られない」状況となってしまいました。シンプルな例えだと、これまで日本では「プロ野球選手になればほぼ頂点」だったものが、現在では「メジャーリーグの選手はほとんどの人が国内のトップ選手より稼いでいる」と言ったことを、誰もが当たり前のように知るようになったというようなことです。国境のハードルが下がった結果、世界のどの国でも人々の競争相手は「国内ではなく全世界」に変わったと言えます。

 経済においても「ジャパン・アズ・ナンバーワン」とまで言われた1980年代と比較して、世界の競争環境はまったく異なるものとなりました。日本が世界経済の中心だった時代なら、日本のやり方で、日本でトップを取れば、それはそのまま最高の結果だったと言えたのかも知れませんが、今では違います。少子高齢化が進んだ日本の環境では、言い方は悪いですが、今後の若者は「退役世代を支えると言うハンディキャップを背負わされた状況で」グローバル化された世界の強者たちとの競争に挑まなければなりません。残念ながら、国内で勝てれば勝ち組という時代は、30年ほど前にもう終わったのです。果たして、私たちが今後の将来世代にしてあげられることは、なんでしょうか。

 少なくとも今後の現役世代を「育てる」時には、こうした世界の強者と戦っても揺るがないだけの「自信とアイデンティティ」を作り出すことが求められます。また、価値観が多様化して周囲の人間も日本人とは限らなくなった以上、これまでのような否定を中心とした育て方では、大人になった時に周囲とのコミュニケーションに支障を来たし、最悪の場合はパワーハラスメントで組織を追われるといった結果になり兼ねません。私たちが将来世代の幸せを本気で願うのであればなおさら、私たちが育てる世代には「世界基準で勝ち抜くための育て方」が求められています。それはこれまで私たちが達成してきたことの何十倍もの努力と工夫、そして「これまでには無かったレベルでの育て方」が必要となるでしょう。今の日本社会、特に人を育てる親世代や管理職世代には、「価値観の抜本的な転換」が求められています。

  SSEAでは、未来の社会を担う方々を育てるお手伝いが出来ればと考えております。価値観の転換は世代に限らず、社会の全ての方々がそれぞれの役割に従って身に付けなければならないことではないでしょうか。

 ただ、私たちにはそのための希望がしっかりと見えています。これまで日本人が培ってきた「強固なアイデンティティ」と「他者に奉仕する精神」は、人を育てるという作業に関しては無類の強みを発揮できる下地でもあるからです。今後の将来世代が確固たる自信を持って、幸せに生きて行くためのお手伝いを実現出来たなら、それが私たちが存在する意義なのではないかと考えています。私たちは今後も、未来を創るための仕事をしていきます。

We can change the world.

Fly to the world, realize the next one and open your future.

※ 英会話SSEAが『みんなの英語ひろば』の取材を受け、特集記事が掲載されました。ぜひご覧ください!

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「英語を勉強して良かった」1番大切な理由

「英語って、何のために勉強するの?」

皆さんが英語や英会話を学ばれる理由は様々だと思います。「旅行をもっと楽しみたい」「留学やホームステイに行きたい」「受験のシステムが変わる」「仕事で英語が必要だ」「就職や転職で有利になる」「外国人と話してみたい」「外国人の友達や恋人が欲しい」「もうすぐ東京オリンピック!」「シェアハウスに入居したら周りがみんな外国人」…その目的、動機は人によって千差万別でしょう。きっかけや目的が何であれ、英語を身に付ける事はその方々にとっては必ず何らかのプラスになるはずです。僕に至っては、大学時代に父に「学生のうちに留学くらいしておけ」と言われたのがきっかけです(笑)もちろんそれ以前からTOEICくらいは受けないと…と思って単語を覚える程度はしていましたが、本格的に背中を押してくれたのはその父の一言だったのは間違いありません。詳しくは留学時代の体験 「Santa Barbaraその1。」のブログからお読み頂ければ幸いですが、何しろ僕はそのようなきっかけでロクロク会話の経験もないまま留学へ出発し、現地で打ちのめされ自分の情けなさを痛感し、そこから必死に英語の勉強を始めることとなりました。

きっかけはこのような情けないものですが、とにもかくにもその後英語を身につけた事で、次の留学では海外に多数の友人ができ、その後9.11直後の超氷河期の就職活動を勝ち抜き、海外旅行へ行っても不自由なく行きたい所へ行き、やりたい事をやり、食べたい物を食べ、相手を怒らせるまで値切り(笑)、時には英語でケンカをする事も出来ます。今ではネイティブと英語で議論してもそう簡単には負けません。そして何より、いまこうして英語を教えると言う仕事を立ち上げる事も出来ました。まさにあの時の父のひと言が、僕にとってはかけがえのない一生ものの財産となりました。恥ずかしくて口では伝えられませんが、僕はその時の父のアドバイスに、本当に深く深く感謝をしています。日本語しか話せなければコミュニケーションが取れるのはせいぜい1億人と少しですが、英語と言う「世界の共通語」でコミュニケーションが取れる人の数は、少なく見積もっても世界の半分、約35億人に上るでしょう。つまり僕の世界は父のおかげで35倍の広さになったのです。世界を自由自在に旅をして、35億の人々と会話ができ、様々な知識や経験を得て無限の魅力と出会うことが出来る。こんなに素晴らしい事は無いと思います。

しかし、僕が「英語を身に付けて良かった」と思う1番大切な理由は、実は上記したような事ではありません。僕にとっては世界を知ることで、「日本のことを初めて正しく知ることができた」と言うことが、もっとも大切な事だったといま思えることです。

実は僕は若い頃は、いつか日本を出て行きたいと思っていました。こんな経済が低迷し、刺激的な事が少なく、政治家や官僚は悪事ばかりを働き、過労死するほど働かなければならない国に住むのは不幸だと勘違いをしていました。ただ僕がこのように思っていた事は実はそれほど稀なケースではなく、実際に日本の若者は他国の若者と比べて自分たちを幸せだと感じていない、と言う調査データが出ています。つまり日本人、特に若者は日本に生まれた事を「幸せでない」と思ってしまっているのが現状なのです。それは実は大きな勘違いなのですが、残念ながらそれが勘違いだと気付くチャンスや方法が日本の若者にはないのかも知れません。それは日本の教育政策の失敗と、マスメディアがネガティブな内容ばかりを批判的に報道する偏向的な姿勢、そして何より、若者が内向的にならざるを得ない英語教育のレベルの低さに大きく起因しています。

僕は英語が話せるようになってから、色々な国の友人と話をしたり、中々行く事が出来ないような場所にも行けるようになり、個人的に旅行が好きだった事もあり世界各地の様々な場所へ行き、様々な現状や問題を自らの目で見て感じる事が出来ました。そしてその中で、初めて気付くことが出来たのです。「自分は何て恵まれた国に生まれ育ったのだろう」と言うことに。

<これだけの大都市にも関わらず、東京の空は青い。アジアからの観光客は、まず空の色が違う事に驚くそうです。アジアやヨーロッパの大都市の空が青い事は、近年ほとんど無くなりました>

世の中面白いもので、日本に生まれて日本しか見た事がなかった時は、実は日本のことは何も分かっていなかったのです。世界に飛び出して他国と日本を比べた時に初めて、日本は世界の中でもズバ抜けて幸せな国だと気付きました。治安が良く女性が夜に繁華街や住宅街を1人で歩いても何も問題がなく、町は清潔で人々は勤勉で礼儀正しく親切、カフェでバッグを席に残してトイレに行っても盗む人もおらず、電車にスマホを忘れてもかなりの確率で戻って来ます。サービスのクオリティは世界のトップと言えるほど優れており、仕事を探そうと思えば労働者の数より求人の数の方が多い、賃金の水準もバブル期のように世界トップでは無いにしろ、先進国に相応しい十分に裕福な生活を送ることができ、ほとんどの国民が海外旅行を楽しめ、日本のパスポートを見せればビザも免除され疑われることもほとんどありません。世界のトップを争う技術や医療環境も存在し、選挙権も表現の自由も当たり前のように与えられている。自然に恵まれ美しい景色と文化的な財産を持ち、水資源に困るどころか水道の水をそのまま飲むことまで出来る。首都である東京都市圏は人口ベースでも経済ベースでも世界最大の都市で、世界中の料理を楽しめ、世界中のエンターテイメントや芸術がやって来て、手に入らないものの方が珍しく、ありとあらゆる種類の娯楽を楽しむことができ、把握仕切れないほどの新スポットが次々と生まれ、ニューヨークと世界一を争う事が出来るくらい刺激と新しさに満ちあふれています。高品質で新鮮な食材があふれていて、美味しいものがいくらでもあり、和食は世界的にも最も価値のある料理の1つとして世界遺産にもなりました。高級な食べ物でなくてもクオリティが高く、安くて美味しいものが沢山あります(安くても美味しい、と言うのは他国では非常に稀なことです)。アニメや漫画と言ったサブカルチャーは世界中の若者を魅了して日本好きの外国人がどんどん増えていて、逆に海外へ行けば日本人だと言うだけで親切にされたり礼儀正しく扱われる。これだけ恵まれている国は世界のどこにもありません。日本より進んでいる国はおそらく、アメリカぐらいのものでしょう。そのアメリカですら、全ての面で日本より優れている訳ではありません。

<イタリア・ナポリのメインストリート。経済状況が悪化しゴミの回収がままならないそうです>

先進国が集まるヨーロッパでさえ失業率が10%を超える国が続出し、10人に1人は仕事がありません。多くの国は砂漠化と水資源の確保に苦しみ、水道水を安心して飲めるなどと言う国はほとんどなく、移民の受け入れに問題があった国では差別や貧困が蔓延し治安も悪化しています。パリやロンドンでテロが頻発しているのは皆さまもおそらくニュースでご覧になった事があるかと思います。発展途上国では水不足に水質汚染と大気汚染が深刻化しており、他のどの先進国を見ても発展途上国を見ても、日本のように何一つ不自由がない国は1つもありません。

日本人は自らが築いて来た文化、歴史、経済や自然環境にもっと誇りを持っても良いと、僕は思います。これだけ素晴らしい国は見つける事が不可能だ、と言っても決して過言ではないと思います。逆に日本を知る外国人の方が、日本の事をよく分かっていたりします(苦笑)ただ、それは残念ながら、日本にいたら分からないこと、世界へ出てみて初めて気付くことです。その意味で、僕は英語を身に付ける事ができて本当に良かったと思い、もっと日本の良さを世界に発信したい、そして日本の皆さまにも、私たちの住む国のことをより良く知って頂けたら、と思います。そして私たちは恵まれているからこそ、もっと世界に貢献する事も忘れてはならないと感じます。

そのためにも、僕は今後も日本の英語教育を変えると言う目標に挑戦し続けたいと思います。そして日本の未来を創って行く若者に、ぜひ世界に飛び出して見識と経験を広げ、今後の日本をより良くして行って欲しいと願うばかりです。皆さまが世界を知り日本を知る、そのお手伝いが少しでも出来たら幸いです。

Learning the world means learning your own country. Find and love the country where you have grown up. Contribute to and improve your home country and the world.

“Find the world. Find Japan again!”

※ 英会話SSEAが『みんなの英語ひろば』の取材を受け、特集記事が掲載されました。ぜひご覧ください!

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ハンバーガーを単品で頼むときは (ボストン編)

海外でファストフードのレストランなどで注文をする際には大体のお決まりフレーズがあり、例え英単語や文法がしっかり分かっていたとしても、こう言った「型通りのフレーズ」を使わないとなかなか通じないことがたまにあります。特に移民国家であるアメリカでは、アルバイトスタッフは貧困層で英語のネイティブスピーカーでないことも多いため、慣れない表現を使うと相手も理解出来ないことがよくあります。

例えば日本では「持ち帰りたい」は「テイクアウト」ですが、これはかなりの和製英語で、使用しても通じない可能性が高い表現です。だいたいアメリカのファストフードのお店では店員に”For here or to go?”=「ここで食べるのか、持ち帰りですか?」と聞かれるのが一般的です。またお会計では”Cash or charge?”=「現金ですか、カード払いですか?」も頻出の決まり文句です。”to go”が持ち帰り、”charge”はカード払いと知っておかないと、ファストフードとは言え四苦八苦する可能性もあります。また「フライドポテト」は”french fries”、「バリューセット」は”value meal”と、日本で使われている表現とはだいぶ違うものもあります。本日は僕が若かりし頃に大失敗した「ハンバーガーを単品で」頼むためのフレーズを、エピソードと共にご紹介したいと思います。

僕がボストンに短期留学をしていた2001年の8月(9.11のテロの直前でした)のある日、夜に語学学校に帰る前に小腹がすいた僕は、マクドナルドでハンバーガーを単品で買って、路面電車の中で食べながら帰ることにしました。僕はお肉が大好きなので、大きなお肉の入った「クォーターパウンダー」と言う大きなハンバーガーを注文したのですが、「単品で頼む」と言うことをそれまでした事がありませんでした。当時の僕はTOEICのスコアも800点を越えており、日常会話はほぼ問題ないレベルで、セットのことを”meal”と呼ぶことも知っていたのですが、「単品で」と言うのは何と言うか、考えたこともありませんでした。中途半端に英語力があったため、「セットじゃなくて」と言えば通じるだろうと考えたのが最大の失敗でした。

<バリューミールがセットの意味と知ってはいたものの>

店員に向かって、”One Quarter Pounder please, not meal.”=「クォーターパウンダー1つ、セットじゃなくて」と言ったのですが、それを聞いた店員がけげんな表情をして、”Not meal?”と聞き返して来るのです。僕は単品で欲しかったのでもう一度、”Not meal.”と繰り返したところ、後ろのスタッフと相談を始めてしまいました…。ですが相談を受けた調理担当スタッフが手でOKサインを出したので、「やれやれ、理解したようだな」と思ったのですが…。

クォーターパウンダーの代金を支払いハンバーガーをテイクアウトした僕は路面電車に乗り込み、楽しみにハンバーガーの箱を開けたのですが、そこには衝撃的なものが入っていたのです…クォーターパウンダーの「お肉の入っていない」ハンバーガーが…(汗)

Quarter Pounderは肉好きのためのメニューのはず…>

ハンバーガーのバンズの間には、何と野菜だけが挟まっていたのです…(汗)そう、”Not meal.”が彼には”Not meat.”に聞こえてしまったようで…。「クォーターパウンダーを注文して”Not meat.”なわけねーだろ!(汗)」と思いましたが、僕の発音がイマイチだったのと、慣れない言い方をされたため店員側もピンと来なかったのでしょう…。もしかしたら英語のネイティブではなかったのかもしれませんが、それにしてもクォーターパウンダーを「肉なしで」と注文するやつがどこにいるんだ?とおかしいやら呆れるやら…(苦笑)ただ、ここは相手の聞き慣れない言い方をした僕も未熟だったのは認めざるを得ません。その「肉なしクォーターパウンダー」はまあとりあえず食べましたが、しっかりクォーターパウンダーの代金を払って肉なしハンバーガーを注文するわけないだろう…と今でも思います…一生忘れられない「肉なしハンバーガー事件」の笑い話になってしまいました(笑)

<単品メニューには”SANDWICHES”と記載されている>

ハンバーガーを単品で注文する際は”Just Sandwich.” = 「サンドイッチだけ」と言うのが一般的です。「ハンバーガーなのになぜサンドイッチ?」と思われるかも知れませんが、アメリカではハンバーガーはサンドイッチの一種、という扱いです。実際、マクドナルドのメニューの看板には”Hamburgers”ではなく”Sandwiches”と記載しています。この「ハンバーガー」=「サンドイッチ」であることを知らないと、またまた店員と会話が噛み合わなくなります。例えば、”One hamburger, please.”と注文すると店員は必ず”Just sandwich?”=「サンドイッチだけ?」と聞き返して来ます。この時にサンドイッチがハンバーガーを指している事が分からないと、おそらく “No, hamburger!” と返してしまい、店員も会話がつかめなくなってしまうでしょう。たかがファストフード、されどファストフード…お決まりの現地で一般的なフレーズを知っておくのも、意外に大事だったりします。そうしないと、僕のように「肉なしハンバーガー」が出てきてしまうかも知れません(苦笑)

覚えておきましょう。「ハンバーガーを単品で」は、

“Just sandwich.”

※ 英会話SSEAが『みんなの英語ひろば』の取材を受け、特集記事が掲載されました。ぜひご覧ください!

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本気の留学ならアメリカに行くべき10個の理由

一言で「留学」と言っても、中高生のホームステイ体験から超一流大学でのMBA取得まで、その内容は様々です。英語を学ぶのが目的なのであれば、英語圏の国ならどこへ行っても良いだろうと思うかも知れません。また、近年ではフィリピンやフィジーといった格安で語学留学できる国も人気です。(ただし、フィリピンやフィジーでは英語は「公用語」であり、「母国語」ではありません。)

ですが、本気で様々な実力を養いたいのであれば、僕は留学先はアメリカを選ぶべきと考えます。それはホームステイであっても、語学留学であっても、大学院への進学であっても同じです。今日は僕がそのように考える10個の理由について、ご紹介したいと思います。

①研究のレベル

まず、大学・大学院へ留学するのであれば、世界の研究の最先端を走っているのは間違いなくアメリカです。ここで幾つかのデータをご紹介したいと思います。

【世界大学ランキング2018(THE)】

1位 オクスフォード大学(イギリス)

2位 ケンブリッジ大学(イギリス)

3位 スタンフォード大学(アメリカ)

3位 カリフォルニア工科大学(アメリカ)

5位 マサチューセッツ工科大学(アメリカ)

6位 ハーバード大学(アメリカ)

7位 プリンストン大学(アメリカ)

8位 インペリアル・カレッジ・ロンドン(イギリス)

9位 シカゴ大学(アメリカ)

10位 ペンシルバニア大学(アメリカ)

1位と2位がイギリス…なら、イギリスが良いんじゃない?と思われるかも知れませんが、もう少ししっかりと全体像を見ると違うことが見えて来ます。上位20校の大学の数を国別に見てみると、

アメリカ 15校

イギリス 4校

スイス  1校

と、アメリカの大学が圧倒的に多いことが分かります。更に、海外の大学で学ぶ価値のある分野の1つである経営学修士(MBA)に限って見てみると、

【Financial Times MBA Ranking 2018】

1位 Stanford Graduate School of Business(アメリカ)

2位 Insead(フランス・シンガポール)

3位 University of Pennsylvania: Wharton(アメリカ)

4位 London Business School(イギリス)

5位 Harvard Business School(アメリカ)

6位 University of Chicago: Booth(アメリカ)

7位 Columbia Business School(アメリカ)

8位 Ceibs(中国)

9位 MIT: Sloan(アメリカ)

10位 University of California at Berkeley: Haas(アメリカ)

2・4・8位以外は全てアメリカの大学で、総合ランキングで1位と2位のオクスフォードやケンブリッジは10位以下です。更に、The Economistのランキングでは上位10校は全てアメリカの大学が占めています。

また、もう1つ、海外で学ぶ価値があると考えられる理工系、特にコンピューターサイエンスや宇宙科学の分野は、分野毎に見ることが難しいので、次のような指標を見てみてください。

【世界の国際特許出願件数 国別ランキング2019】

1位 中国     59,005件

2位 アメリカ   57,723件

3位 日本     52,665件

4位 ドイツ    19,329件

5位 韓国     19,085件

6位 フランス    7,929件

7位 イギリス    5,774件

8位 スイス     4,607件

9位 スウェーデン  4,189件

10位 オランダ    4,033件

近年1位は中国となりましたがこの数字の中には基幹技術ではないものが多いためここでは割愛します。アメリカが世界の重要な技術のほとんどを占めている状況は過去半世紀に渡り変化しておらず、その次に続くのは大学ランキングでは全く名前の出てこなかった日本で、この点も長らく変化していません。つまり日本では、研究開発は大学よりも民間企業を中心に行われていることが分かります。英語圏で2番目に名前の出てくるイギリスの出願数はアメリカの10分の1にとどまり、傾向としてむしろ上位3か国とその他の国の差は年々拡大しつつあります。近年日本の技術力低下を叫ぶ風潮がありますがあくまでそれは一部の情報分野と商業ベースで見た偏向的な視点であり、世界の基礎研究と基幹技術の90%以上は未だ日米で占められています

<半導体の製造も基幹技術は欧州1社以外は日米の技術の寡占>

また、あくまで大学の研究開発のみを指標として見るのであれば、この様な数字もあります。

【ノーベル賞(自然科学分野)の2000年以降の受賞者数】

1位 アメリカ 59人

2位 日本   16人

3位 イギリス  10人

4位 フランス  7人

5位 ドイツ  6人

6位 イスラエル  5人

※ 以下、人数が少ないため省略

以上のように、物理・科学・工学・医学でもアメリカでの研究は群を抜いていて、技術分野で次に続いているのは日本である事が分かります。つまり、日本より研究が進んでいる、あるいは日本では勉強が難しい自然科学分野を勉強するなら、やはりアメリカのみが選択肢と言うことになります。

②学生のレベル

①で見てきた研究開発のレベル以上に大きな要素と考えられるのが、集まって来る学生のレベルと多様性です。移民国家で様々な人種が混在しながらも、人口が3億2千万を超え、そこに世界中から各国のトップの学生が殺到するアメリカの学生のレベルと多様性は、他の国とは比較にならないと言っても過言ではありません。英語圏の国々の人口を見てみても、

アメリカ    3億2,300万人

日本(※参考) 1億2,700万人

イギリス    6,400万人

カナダ      3,600万人

オーストラリア 2,400万人

ニュージーランド 476万人

アメリカの人口は他の英語圏の国々よりも圧倒的に多いことが分かります。その数は日本の3倍イギリス比では5倍にも上ります。当然、競争は熾烈を極めており、トップ大学のレベルはそれに比例して高くなります。

また、外国人留学生の数を見ても、

アメリカ      975,000人

イギリス      312,000人

オーストラリア   348,000人

カナダ      19,5000人

とアメリカが群を抜いており、MBAランキングなどを考慮すればその質も他国とは比較出来ないと考えられます。つまり数を見ても質を見ても、アメリカに集まる学生のレベルと多様性は圧倒的と言えるのです。例え英語学習のみが目的の語学留学だったとしても、米国の大学への進学を目指す質の高い学生との交流は、大きな刺激や経験となることでしょう。

③イノベーションは常にアメリカから始まる

上記した数字以上にアメリカの凄さを象徴しているのは、「イノベーション」が常にアメリカから始まるという点です。これは金融のメソッドから新しいコンピューターソフトウェアの開発、宇宙工学の研究や開発に留まらず、電気自動車に代表されるテスラ・モーターズや民間宇宙開発の先頭を走るスペースXのようなベンチャー企業、世界で初めて「LCC」と言うカテゴリーを具現化し、世界の空の旅を身近なものにしたサウスウエスト航空、自動運転車やハイパーループのような社会的実験、州ごとに法律や規制が異なり、州政府に一定の裁量権が与えられている地方自治のあり方のような社会制度の仕組みに至るまで、新しい技術や発想のほとんどがアメリカで誕生しています。

身近な例で言えば、AppleのiPhoneや検索サイトのGoogle、SNSのFacebookはその象徴的な例と言えるでしょう。初めてスティーブ・ジョブズがiPhoneを発表した時、正直僕は「こんなボタンも無くて入力がしずらい携帯電話が売れるのか」と思いました。しかしいつの間にか、iPhoneが創造した「スマートフォン」と言うデバイスはもはや生活の全ての基準となり、近年の若者はスマホのせいでPCを使わなくなったとまで言われています。実は、iPhoneを分解してみると、大半の部品は日本製、あるいは日本製の製造装置を使って作られています。日本の技術がなくては製造すら出来ないかも知れないのが実はiPhoneなのですが、重要なのはそこではなく、「スマートフォン」と言う発想を生み出し世界の基準の全てを変えたのが、たった1人の天才によって成し遂げられたと言う点です。日本には技術はあったが発想がなかった、そこが決定的な差になったのが現実で、こうした新しい、他人が考えなかった発想=イノベーションがほとんどアメリカで生まれていると言う事実を、私たちは認識する必要があるでしょう。また同時に、「なぜイノベーションはアメリカでばかり生まれるのか」についても知らなければなりませんが、そのためにはやはり、まずアメリカと言う社会を肌で感じ、何が他の国と違うのかを考える必要があります。人種の多様性による産物なのか、教育レベルの高さ故なのか…ただ、人種が多様で教育水準が高いだけの国なら他にもたくさんありますので、それとは異なる、自由な発想を生む何らかの下地があると考えるべきでしょう。そうした環境の中へ留学に行く事こそが特別な経験と言えます。その意味で、アメリカで勉強する事の意味は、他の国でのそれとは全く違うことなのです。

④留学の目的は学位だけでなく人脈と経験

留学と言えば勉強すること、とは限りません。実際、MBAを取るためにアメリカの大学を選ぶ理由はその学位の名声よりむしろ、世界中から集まる超一流の人材と触れ合う経験と、そこでのみ築くことが可能な高レベルでの人脈作りだと言われています。

学校で勉強する、というのはあくまで机上の空論です。もちろんMBAのプログラムでは実際のビジネス環境や成功例を取り上げて勉強しますが、そのクラスにおいても実は大切な要素はそのクラスに集まっている学生の質です。世界中の一流企業からのトップ人材が集まるプログラムの中で議論したり他国の状況を学んだりするからこそ価値があるのであって、逆に言えば一定の地域からの留学生しか集まらない環境は、あまり参加する価値があるとは言えません。アメリカは世界のトップだからこそ世界中から一流のトップ人材が集まるのであり、逆に言えば一流の人材であればあるほど、アメリカ以外の大学を選択しません。つまり本当の一流の人材と触れ合い刺激と経験を獲得すること、その環境によってのみ作り出される高いプログラムや教育環境の質、そしてそこで築かれる最高の人脈は、アメリカにのみ存在すると言っても決して過言ではないのです。
これは何もMBAに限った事ではなく、例え英語の学習のみが目的の語学留学であっても、基本的な環境は類似しています。向上心が高い人材なら当然、質の高い学生が集まる国での勉強を選択しますし、語学学校にはアメリカの大学への進学を目指す1流の学生も多数在籍しています。そうした学生と出会い、触れ合う事で受けることの出来る刺激と経験は、きっと他のどの場所よりも貴重なものとなり、あなたの向上心や目標を高めてくれることでしょう。

⑤世界の縮図アメリカ

アメリカと言う国は、おそらく世界で最も多様性のある国です。世界中から人が集まる場所ですので、人種・国籍・宗教・バックグラウンドから信念や哲学・考え方に至るまで、ありとあらゆる「異なるもの」が1つの国の中に混在しています。良い人もいれば悪い人もいて、大富豪もいれば貧しい人もいる、世界のすべての宗教が存在し、もしかしたら世界の全ての国の出身者がいるかも知れません。当然、差別や争い事もあり、人種差別、宗教対立、保守とリベラルの意見の対立、貧富の差の拡大など、世界のあらゆる問題がアメリカ国内に同じように存在しています。そしてそれに人々がどのように取り組んでいるか、と言う点も知る事が出来るでしょう。

つまり、それは良くも悪くも「世界の縮図」なのであり、世界を感じて理解を深めるのにはこれ以上の場所はおそらくないでしょう。日本ではあまり感じることが出来ない「他人と自分は異なっている」という事が当たり前のように存在する、それは今後の国際社会、そして外国人観光客や労働者の増加が見込まれる日本が、いま一番学ばなければいけないことです。「異なる人間とどう共存するか」は、アメリカの良い所も現状の問題点も両側面を自分の目で見て感じることで、初めて現実の問題としてしっかりと考え直すことが出来るのではないでしょうか。

⑥フロンティア精神とチャレンジスピリット

イノベーションのほとんどがアメリカで起こっている背景にある要素の1つは、アメリカ建国の歴史にあるのかも知れません。それはよく「フロンティア精神」「チャレンジスピリット」と言う言葉で表現されます。

アメリカへ最初に移民をした西洋人は、当初は各国のカトリック達が入植しましたが、それに続いたのはイギリスで宗教的に迫害を受けていたピューリタン達でした。彼らは自分たちが生活できる新天地を求めて、まだ良く知られていなかった未開の地である北米大陸へと、船で大西洋を横断して渡りました。おそらくそれは、当時は命がけの挑戦であったことでしょう。その後もアメリカの人々は、合衆国の建国、イギリスからの独立、西部フロンティアの開拓、南北戦争による奴隷の開放と、挑戦の歴史を歩んで来ました。もちろんその過程でネイティブアメリカンの土地を奪ったり虐殺したという負の歴史もありますが、負の歴史を全く持たない国など、世界には存在しないでしょう。

こうした「挑戦の歴史」の中で培われてきたのが、おそらくリスクを恐れず挑戦すると言う「フロンティア精神」なのかも知れません。もともと国家のない場所に、自由と平等と言う理念と星条旗の元に、様々な人種や国籍の人々が1つになる事を目指して築き上げたのが、アメリカ合衆国と言う国家です。(本当に自由と平等が達成されているか、についてはもちろん議論の余地はあります。)つまり、様々な人種も環境も異なる人々が共通の理念の下で国家を形成しているのがアメリカであり、「昔からそこに住んでいたから自然と成立した国家」とはその誕生の過程が全く異なっています。一つの理念=目標を達成するために既存の考え方や特定の文化から抜け出し、新しい発想で理念を達成しようとして来た「挑戦の歴史」が、今もiPhoneやGoogleと言ったイノベーションを起こす下地の要素の1つとなっているのは十分な可能性と言えるのではないでしょうか。こういった「既存の文化や発想に捉われない」「目標・理念のためにリスクを恐れず挑戦する」と言った姿勢が、政治や経済においてアメリカを世界のトップへと押し上げてきたという経緯を私たちは知る必要があり、そうした自由な発想と創造力を今後は自分たちも養って行かなければなりません。そのためにも、日本の多くの若者に、アメリカで英語や学問・技術、そして「アメリカ合衆国」と言う国について学んで欲しいと願うばかりです。

⑦日本で学べる事は日本で

「英語や学問は海外で勉強するほうが良い」と思いますか?実はそれは正解でもあり不正解でもあります。

例えば、海外で1年間ワーキングホリデーをした人間と、日本でコツコツと2年間英会話を自力で勉強した学生を比較すると、「国内で学んだ学生の方が英語が上手だ」という事が良くあります。ワーキングホリデーとはその名が示す通り「休暇」です。現地でアルバイトをしたとしても、仕事で使うフレーズは毎日お決まりの、英会話のごくごく一部に過ぎません。カフェや農場でアルバイトをしても自分で英語を勉強する努力が無ければ、おそらくちゃんとした「会話」をすることなく遊んで帰って来るだけの結果になるでしょう。英語の勉強だけなら日本でも十分にできます。要は本人の意識と努力次第です。

また、技術系に関して言えば、日本が研究のトップを走っている分野もたくさん存在します。そうした技術を身につけたいのであれば、海外の名もなき大学に入って母国語でない言語で技術を学ぶより、その分野で研究成果を上げている日本の大学や企業へ入る方が遥かに良いでしょう。

留学は何でもとにかく海外に行けば良い、と言うものではありません。留学の目的をはっきりとさせ、日本では学べない知識や経験を学びに行くものです。ただ「海外に行ってみたい」というのが動機の留学の多くは失敗に終わります。日本で学ぶべきことは日本で、日本で取得すべき学歴は日本で取得した上で、プラスアルファで日本で学べないことを学びに行く必要があります。もしカナダ人になりたいのであればカナダの大学に入って現地で就職し、カナダ国籍の取得を目指せばそれで良いと思います。もしフランス人になりたいのであればフランスで同じようにすれば良いでしょう。ですが、「日本人として」国際感覚や技術を身につけたいのであれば、まず日本でやるべきことをやり、その上で高い志をもって留学へ出発しましょう。そして、高い志があるのであれば、ぜひ世界のトップを肌で感じてみてはいかがでしょうか。

⑧社会の「未来」を学ぶ場所

アメリカは良くも悪くも、世界で最も進んでいる国です。イノベーションや先端技術、金融の新しいメソッドが次々と生まれる一方で、様々な社会問題や人格障害、悲惨な犯罪が最初に発生するのもアメリカです。つまりアメリカを知るという事は、良い点も悪い点も「自分とその国の将来を考えること」でもあるのです。アメリカでこう言う問題が起こっている。いつか日本でも起こるだろう。じゃあその時、自分たちはどのように取り組んだらよいか、そう言ったお手本として、あるいは反面教師として、良くも悪くも自分たちの未来を考え学ぶことができる国と言えます。

日本にはアメリカより優れている側面もたくさんあります。いくつかの技術や製造業の質、社会の安定性や治安などは単純に比べれば日本の方が優れているでしょう。しかし、アメリカは全体的に日本の15年先を走っていると考えて下さい。もしかするともっと前を走っているかも知れません。アメリカで発生する問題は、次は日本でも発生します。例えば、電子産業はまずアメリカで発達しましたが、その主導権は1980年代以降日本に移り、そして2000年代になると韓国へ、現在は中国へと移行しつつあります。中国の後はインドや東南アジアに移るかもしれません。その間にアメリカは産業構造を変革し、金融やサービス業、最先端のITビジネスやベンチャー企業を発達させて来ました。アメリカではすでに、宇宙開発さえも民間企業に移行しつつあります。日本はまだ、それを追いかけている状況です。追いつくことが出来るかどうかは誰にも分かりません。しかし、後ろからも追われている以上、日本も未来について学び、社会や産業を進化させて行かなければなりません。「日本より前を走っている国がある」、その国を研究して追いかけない理由はどこにもないのです。

⑨「平等」とは何かを考える

アメリカは「平等」とは程遠い国だ、そう思いますか? 確かに、貧富の差は激しく、大富豪がプライベートジェットで移動する一方で、貧しい暮らしに困る人も多いのは事実でしょう。

では、貧富の差が少なく、国民がみな同じような水準で暮らしていれば、それは本当に平等と言えるのでしょうか。僕はそれはおかしいと思います。頑張ったら報われて、努力しなければ結果は付いて来ない、社会はそうあるべきだと思います。もちろん、生まれつきの貧富の差で有利不利はあるでしょう。しかし少なくとも、「機会」は全員に開かれている、それがアメリカという国です。頑張って勉強すれば奨学金がもらえますし、創意工夫でビジネスを起こせばゼロからだって成功できる。そのような「機会の平等」があるからこそ、努力の差によって貧富の差が生まれるのがアメリカと言えます。実は、アメリカは貧富の差が大きいと言いますが、アフリカ諸国のように仕事も食べ物もない、という訳では決してありません。貧困層向けの職業訓練やボランティアのサポートなど、社会のセーフティネットはちゃんと存在します。「恵まれない環境に生まれたから貧乏だ」、と愚痴を言うのは簡単ですが、チャンスは実は誰にでもある。愚痴を言う時間があるならその時間を努力に使えば良いだけの事です。平等とは誰もが同じように暮らすことではないのだ、むしろ全員が同じであることの方が異常なのかも知れないと気付かされます。

「頑張ったら、報われる。頑張らなければ、当然報われない。自分の人生は、実は全て自分次第である。」こんな簡単なことですが、意外と気づかないものです。特に貧富の差が比較的小さい日本では。頑張っても頑張らなくても結果があまり変わらない国というのは、実は非常に危険な状態なのかも知れません。頑張ってもあまり報われない国であれば、頑張る人が減って行き、優秀な人材は海外へ流出して国の成長エネルギーは徐々に失われてしまうでしょう。アメリカでは初の黒人大統領も誕生し、大企業の女性CEOも数え切れないほどです。果たして日本とアメリカで、平等を達成している国はどちらでしょうか。「平等とは何か」、アメリカではそれを考え直す機会も得ることができると思います。

⑩帰国後のキャリア形成

留学はいつか終わるもの、留学に行くのであれば当然、留学後の進路やキャリアを考える必要もあります。留学に行って現地で就職し、日本に戻らないつもりであればそれはそれで良いでしょう。

しかし残念ながら、現実はそんなに甘くはありません。現地の国籍を持っていなければ当然、「外国人」として現地で働くことになります。当然、現地のネイティブより出世したり同等の待遇を手に入れることは、相当に難しいことです。同じ能力なら、現地の人間の方が高く評価される。残念ですが当然と言えば当然です。現地で就職したけど、次の契約をもらうことが出来なかった。当然、労働ビザは切れてしまいます。そうなると、現地のネイティブと結婚する以外には日本に帰国するしかありませんが、帰国してからの就職も困難を極めます。例えば、日本の大学に入学せず海外の名もなき大学に入って卒業した場合、日本の企業ではそれは大卒の資格としてみなされません。つまり「高卒扱い」となり、大卒総合職としての就職はほとんど不可能になります。海外の大学を卒業したけどロクな就職ができなかったというのは、残念ながら非常によくあるケースです。

また、近年よく耳にする「世界大学ランキング」を鵜呑みにするのは現実とはかけ離れています。世界大学ランキングはあくまで欧米基準の物差しで、英語で書かれた論文のみを評価対象とし、さらに自然科学分野を圧倒的に重視したアカデミックなランキングであり、それは社会や企業での評価とは必ずしも一致しないものです。ここでこの「世界大学ランキング」と矛盾する、もう一つのランキングをご紹介したいと思います。

【世界の大学就職力ランキング2018(QS)】

① スタンフォード大学(アメリカ)
② カリフォルニア大学ロサンゼルス校(アメリカ)
③ ハーバード大学(アメリカ)
④ シドニー大学(オーストラリア)
⑤ マサチューセッツ工科大学(アメリカ)
⑥ ケンブリッジ大学(イギリス)
⑦ メルボルン大学(オーストラリア)
⑧ オクスフォード大学(イギリス)
⑨ カリフォルニア大学バークレー校(アメリカ)
⑩ 清華大学(中国)
⑪ ニューヨーク大学(アメリカ)
⑫ コロンビア大学(アメリカ)
⑬ プリンストン大学(アメリカ)
⑭ 東京大学(日本)
⑮ 北京大学(中国)
⑮ トロント大学(カナダ)
⑯ スイス連邦工科大学(スイス)
⑰ ユニバーシティ・カレッジ・ロンドン(イギリス)
⑱ コーネル大学(アメリカ)
⑲ エール大学(アメリカ)
⑳ 香港大学(香港)
㉑ シカゴ大学(アメリカ)
㉒ ペンシルバニア大学(アメリカ)
㉔ ウォータールー大学(カナダ)
㉕ ミシガン大学(アメリカ)
㉖ 早稲田大学(日本)
㉗ 復旦大学(中国)
㉘ エコール・ポリテクニーク(フランス)
㉙ インペリアル・カレッジ・ロンドン(イギリス)
㉚ カールスルーエ工科大学(ドイツ)
㉚ シンガポール国立大学(シンガポール)
(中略、以下日米の大学のみ記載)
㉜ ノースウェスタン大学
㉞ デューク大学
㊸ ブラウン大学
㊼ パデュー大学
㊸ ジョージア工科大学
㊺ 慶應義塾大学(日本)
(以下、主要大学のみ記載)
ボストン大学(51位)
京都大学(53位)
東京工業大学(57位)
南カリフォルニア大学(59位)
ジョンズ・ホプキンズ大学(64位)
ワシントン大学(64位)
カリフォルニア工科大学(73位)
大阪大学(76位)
アリゾナ州立大学(81位)
ペンシルバニア州立大学(87位)
名古屋大学(90位)

このランキングは各大学の卒業生を、政治やビジネスのリーダーから、ジャーナリスト、科学者、文学やアートの分野に至るまで、①「雇用者の評判」、②「卒業生の成功指標」、③「雇用者とのパートナーシップ」、④「雇用者と学生の関係」、⑤「卒業生の就職率」の5つの要素を基に、世界の大学がどれだけ社会の中で評価されているかを指標化したもので、皆さまがお持ちのイメージと近い「現実的なランキング」と言えるでしょう。世界大学ランキングでは全く低評価を受けている日本からも、上位50位以内に東京大学・早稲田大学・慶應義塾大学がしっかりとランクインしています。ボストン大学やカリフォルニア工科大学もアメリカでは「一流大学」と呼ばれる優秀な大学ですが、世界基準で見ても日本の一流大学の後塵を拝し、それが日本基準になればその評価はさらに低いものになることは容易に想像できます。州立大学レベルの学位は就職活動では「その他の大学」のカテゴリーに分類されてしまうでしょう。日本で正当に「一流の学歴」と評価されるには、少なくとも東京大学より上位にランキングされているアメリカの8大学(スタンフォード、UCLA、ハーバード、MIT、UCバークレー、ニューヨーク、コロンビア、プリンストン)での「実用的な学位」(経済学、経営学、法律、自然科学分野など)が必要となって来ます。それが「日本における現実の評価」と言えます。

また、MBAを取りに行く際も注意が必要です。MBAとは「経営学修士」との名前が示す通り、企業の経営について学ぶ学位です。つまり経営マネジメントに携わるレベルの人間だけが必要な学位であり、そうした優秀な人材が学びに行くべき大学は上記したMBAランキングの上位20校程度ということになります。「MBAさえ持っていれば評価される」と言う訳ではありません。「どこの大学のMBAを持っているか」まで、キッチリ人事担当者に評価されます。名もなき大学のMBAを取って帰って来ても、「なんでそこの大学のMBAを取ったの?」、「そもそもあなたにMBAの資格が必要だったの?」と言う反応しか返って来ないでしょう。つまり、下手をすると「自分が分析できていない」と言うマイナス評価にしかならないのです。ですので、MBAを取るなら最低条件はアメリカの大学(とその他数校)かつ、日本人が知っている上位校のみが評価対象なのが現実でしょう。

「留学に行って知識や経験を深めたい」と言う志は非常に素晴らしいものであり、当スクールでは可能な限りそのお手伝いをさせて頂ければ幸いと考えております。しかし、目的意識のない長期の海外渡航や日本の慣習を考慮していない留学については、ご本人のためにもあまりお勧めできません。留学をしたからにはその結果を求められてしまうのも留学です。行ったから無条件に評価されると言うものでは決してありません。「どこの国に、何のために行って、その後どうするか」と言う点について、しっかりと目標を定めて努力する必要があります。そして、留学して一番多くの事を学べ、最も評価される国はアメリカであるのは間違いありません。「本気で留学するなら」僕はやはりアメリカをお勧めしたいと思います。英語や留学、将来のキャリア形成にご興味のある方は、ぜひ一度、当スクールへご相談ください。その生徒さまに最も合った留学のスタイルと事前準備をご提案し、お手伝いをさせて頂けましたら幸いです。

※ 英会話SSEAが『みんなの英語ひろば』の取材を受け、特集記事が掲載されました。ぜひご覧ください!

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選んではいけない英会話スクールやレッスンの特徴

SSEAには様々な英会話スクールや他のレッスンから移られて来る生徒さまが沢山いらっしゃいますが、そこでお話しをお聞きする度に「日本の英会話ビジネスは本当にただの詐欺である」事を毎回実感します。大手のスクールからオンライン英会話に至るまで、これまで僕がお聞きした中で「効果があった」と言うレッスンは一つもありません。こうした場所でも「効果がある方」は、実はどんな勉強の仕方をしても自分の力だけで英会話を身につけられる方です。そのような方は、日本にはおそらく5%程度もいない事でしょう。そしてその5%の方だけが英語を話すことができるのが、今の日本の現実です。私たちSSEAはもちろん上級の生徒さまにも最高の環境をご提供しておりますが、そうではない残りの95%の方にこそ、英語を身につけて頂く事を目標としています。

本日はこれまでお聞きした、「通ってはいけない英会話レッスン」の特徴をご紹介したいと思います。

【費用に関すること】

「半年、一年の受講ならこれだけ安くなります」

→ 途中で退会しようとすると割引適用を後から外され、ほとんど費用が返って来ない。「一括で払ってもらえたらもう返す必要はない」のでレッスンやカリキュラムの質も低い。高い入会金や一括での支払いを求めるスクールは大体がこのパターン。最初の支払いさえしてもらえれば、後は辞めてもらって構わないと考えている。

「月謝が格安です」

→ 入会金や諸経費・教材費が高く、結果的に割高になる。更新費用と言う名目で入会金のようなものを毎年払わされる。他にも管理費や年間教材費など、理由のよく分からない諸経費がある。入会金や更新費用は支払ったら返還されないため、失敗したと思っても1年間は通学せざるを得ない。

【システムに関すること】

「マンツーマン専門です」

→ 費用が高額過ぎて、とても続けられる水準ではない。マンツーマンだからとカリキュラムを用意していない事が多く、友達とお喋りをしているのと実は同じ。

「オンラインで好きな時間に受講出来ます」

→ スカイプ等で顔が見えるだけなので、ただお喋りをする「チャットレッスン」がほとんど。費用が安いと言う事は講師もアルバイトでやっていると言う事なので、真剣に教えようとする姿勢もない。テキストはおろかカリキュラムすら何もない事も。ただお喋りをするだけなら友達と喋っても同じであり、日替わり講師とただフリーにお喋りする事は上級者以外の生徒には効果がほとんど無い。さらに講師が日替わりだと毎回同じような話をしていて進歩も望めない。アルバイト感覚の講師は生徒の英語が間違っていてもそのまま流してしまうので、「間違った感覚」が身についてしまい矯正出来なくなることも。

【講師に関すること】

「ネイティブ講師です」

→ 出身をよく聞いてみるとドイツ、スペイン、トルコ、フィリピンなど、英語が母国語の国の出身ではない。アメリカやカナダの出身でもアジア系など母語が英語ではない。

「バイリンガルです」

→ 日本語とのバイリンガルとは限らない。下手をすると英語も日本語も中途半端にしか出来ない。講師が帰国子女だったりすると、英語が出来ない人が「なぜ出来ないのか」が全く分からず、出来ない人の気持ちも理解できない。

「好きな講師を選べます」

→ 講師が日替わりになり毎回同じような話をするだけで進歩がない。希望の人気講師は予約が取れないのに、予約を取らないと有効期限が切れて支払った費用が消えてしまう。

「指導の資格を持っています」

→ 海外で座学で勉強してテストを受ければ取れる資格ばかりで、実際の指導力との関係はあまりない。資格があることを理由にスクールがしっかりトレーニングをしていないので、実はどのように教えたら良いか全く知らない。特に「日本人に対する教え方」については全くノウハウがない。

【振替レッスンに関すること】

「振替レッスンがあります」

→ 実際は予約が取れない。取れても希望の講師は常に満席。さらに有効期限があるため、予約が取れないのに受講する前に失効してしまい、費用が消えて行ってしまう。回数の制限があると、使い切った後に急な用事があると休まざるを得ない。

【クラスに関すること】

「少人数クラスです」

→ 時間帯によって人数がバラバラで、1人で受講出来る場合もあれば10人くらいクラスにいる場合もある。生徒が4人以上いるクラスではもう会話の練習にならない。

「レベルごとにクラス分けをしています」

→ 初級・中級・上級と言った大雑把なクラス分けのため、クラス内でのレベルに差が出る。1番レベルの高い生徒が会話を独占するため他の生徒は聞くだけになる。年齢層や学習の目的もバラバラのため、実のある会話は出来ず差し障りの無い表面的な内容しか学べない。

「テストで定期的にレベルを確認します」

→ 定期的にテストがあり半ば無理矢理に上のクラスへ移されてしまう。スクールが「生徒のレベルが上がった」と言う実績にしたいだけで、受講者の利益に全くならない。スタッフが「点数が上がりましたから、上達しましたよ!」と言うが、体感的にあまり変わっていない気がするし、実際は本当に上達もしていない。テストのスコアが変わっただけである。コミュニケーション力が本当に向上したかどうかは、テストの数字では本当は分からない。

「宿題をすることは大切です」

→ 大量に課題を出す場合は、スクール外で無理矢理勉強をさせることでレベルを上げようとしている。レッスンの質はあまり関係ない。これなら自宅で自力で勉強する事と全く同じ。そして生徒の自助努力の結果を「レッスンの効果」として宣伝する。本当はレッスンの効果自体はほとんど無く費用の無駄遣いである。

どうして日本にはこのような英語教育しか存在しないのかが逆に不思議になるほどですが、おそらく全ては利益目的のビジネスであり、生徒さまの英語力が本当に向上するかどうかの優先順位は後回しか、全く考慮されていないのでしょう。

SSEAではこうした日本の英語教育の問題点を徹底的に洗い出した上で、「生徒さまのためのシステム作り」を絶えず行っています。入会金無料の月謝制、無理がない水準で分かりやすい料金システム、生徒さま全員が必ず主役である定員2名以下クラス、有効期限や回数制限のない振替システム、予約が必ず取れるように設けている振替専用枠、1人の講師が生徒さまの上達をずっと把握してカリキュラムを組んで行く担任制、フリートークと文法セクションの両方を設けて視覚的な素材を活用する最高品質のカリキュラム、そして学習を継続するために最も重要である「会いに行くのが楽しみになるような講師たち」。

楽しみながら英語学習を継続して、確実に効果を得るためにはどうしたら良いかを徹底的に考慮して、SSEAの「生徒さまのためのシステム」は作り上げられています。それは私たちの目標がビジネスで成功する事ではなく「日本の英語教育を変えること」だからです。1人でも多くの方に英会話を学んで頂く事で、私たちは日本と世界をより素晴らしい場所に変えることが出来ると信じています。

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英語4技能検定試験に欧米のネイティブスピーカーとの会話が必要な理由

① 受験はもはやペーパーテストだけでは負けてしまう

近年の入試形態は、急速にその傾向を変えつつあります。従来から大学入試ではその配点の半分またはそれ以上が英語による合否でしたがその英語試験の内容が大きく変わりつつあり、ペーパーテストによるものから配点の大きな部分を面接や作文、リスニングのスコアが占めるようになっています。また長文読解も難解な文法を読み解くものより、大量の長文を読み飛ばして記述で論述する形式への変化が見て取れます。

こうした試験には従来型の学校教育や学習塾・予備校の机上での学習では対応が出来なくなりつつあり、英語試験に関しては日頃からの「会話力」と「日本語を介する必要のない英語の感覚」によって決定的な差がつくことになります。こうした「コミュニケーション力」は長期に渡る積み重ねによってのみ向上するもので、残念ながら受験対策で瞬間的に身につけることは出来ないスキルです。表現するなら受験英語とは「短距離走」から「マラソン型」の対策が必要と変わったと言えるでしょう。

<早稲田大学政治経済学部の入試は2021年度より、英語の配点比率が教科全体の62.5%に。独自入試問題は大量の英語長文を読み解く形式>

② 英検・TEAP・IELTSなどの4技能検定には必ず面接とライティングがある

近年の入試形態の特徴としてもうひとつ挙げられるのが、「民間英語能力検定試験」の導入です。英検・TOEFL・TEAP・IELTSなど事前に取得した民間英語検定のスコアが入試にも反映され、スコアが総得点に加点されるものや英語試験の90点あるいは95点としてみなされるパターン、あるいはスコアの提出によって英語試験が免除されるもの等がありますが、いずれにせよこれら民間英語検定のスコアが受験前から決定的な差をつけてしまうことになります。

例えば大学入試なら以前は問題の60%~65%を正答できれば合格ラインだったのが、民間検定が90%換算されることになればその時点ですでに25点から30点の差がついてしまうことになります。そしてこれらの4技能検定には必ず面接とライティングがあり、会話力、リスニング力、作文能力などの「日常的なコミュニケーション力」がスコアに決定的な差をつけます。

③ 試験はすべて、『欧米の英語の音』によって行われる

もう一点見落とされがちなのが、これらの英語試験の音はすべて『欧米の英語の音』であると言う事です。基本的にはアメリカ英語とイギリス英語のみでリスニングが吹き込まれるのが一般的ですが、発音範囲を拡大したTOEICでも英語は「アメリカ英語・イギリス英語・カナダ英語・オーストラリア英語・ニュージーランド英語」の5か国の音によるものです。

試験における英語とは基本的に「欧米の言語」であり、こうした地域にしか存在しない音はフィリピンやフィジー、インド、シンガポールといったアジア圏のノンネイティブスピーカーや日本語を母語としている帰国子女やバイリンガル講師はしっかりとは持っていないものです。確実な英語力に結び付けたいならなおさら、欧米のネイティブスピーカーとの会話訓練を避けて通ることが「目には見えないところで」非常に大きな効果の差をつけて行くことになってしまいます。これは高校までの英検2級程度のような目先のテストの結果では分からない「長期的な貯金量の差」となり、大学生となった頃から少しずつ現れ始めます。

④ 受験が終われば、その先に待っているのは就職も昇進もTOEICによる審査

受験が終わったからもう英語は勉強しなくて良い…そう思っている方はいないでしょうか。英語から逃げれば逃げるほどに陥るのがこの罠ですが、まず大学を卒業して、就職活動で履歴書やエントリーシートと共に提出が必要となったのがTOEICのスコアです。今の大人世代が仕事を探していた頃なら600点あれば「英語も勉強したんだね」となりましたが、TOEICが定着してほぼ全員が取得するようになった現在ではおそらく、プラス評価の対象となるのは740点以上、大手上場企業ならエントリーする学生は当たり前のように800点や900点を持っているでしょう。

そして、TOEICは990点満点のスコアのその半分がリスニング、さらにリーディングも文章が非常に長く常に時間との戦いを要求するシステムになっており、Test of English for International Communicationとの名称が示す通り「コミュニケーション力がなければとれだけ文法が得意でもスコアが上がらない仕組み」になっています。どれだけ一流大学を卒業した人でも会話力がなければ人並みのスコアにも届かないのは、「TOEICとはコミュニケーション力を測定するテスト」だからです。そして企業でも外国人労働者の増加を受けてエンジニア分野でもTOEICのスコアはもはや昇進の条件となり、社会人ならその人生設計そのものに大きく影響を与えるようになりました。理系学部に進学したとしても論文は英語で作成し学会で発表を行う必要もあり、英語を避ければ避けるほど後から壁にぶつかり後悔する結果となります。

⑤ 格差社会が到来し、就職や転職、昇進でのライバルは徹底的な言語教育を受けた外国人スタッフに

そして今後は、社会に出た後にさらに厳しい競争環境に直面します。新型コロナウイルス感染の拡大前から、日本においても正規社員と非正規社員、学歴に留まらないスキルのある勝ち組と机上のテストしかできない負け組の間の格差が開きつつありましたが、アフターコロナの社会ではこうした格差拡大に一層の拍車が掛かることが予想されます。

テレワークや業務のIT化が進むことで逆に、「機械にもできるようなコミュニケーションを必要としない単純労働はそもそも要らない」時代があっという間にやって来ることでしょう。こうした社会では幅広い知識や業務マネジメントスキル、チームの管理能力とコミュニケーション力に欠けるスタッフの業務は「AIかアルバイトか外国人で十分」と考えられることになります。そして現在の日本は労働人口の減少に伴って移民や外国人労働者の流入がかつてない勢いで加速しており、企業側も無意味に人件費の高い日本人正社員よりもこうした新しい労働力を「適材適所」で使用しようと考え始めています。またそもそも、「このIT化の時代に、海外に安く発注できる業務なら国内で行う必要がない」とも考えており、単純労働力がコンピューターや外国人労働力に置き換わることで「外国人も管理できる日本人管理職」と「人件費の安さで外国人には勝てない日本人」の2極化が進行することでしょう。すでにコンピュータエンジニアやプログラミングにおいても、スタッフの大部分が外国人になったようなケースが増えています。

そして日本にやって来る外国人労働者が単純労働だけを担当するとは限りません。日本に移り住んでくる外国人は母国で徹底的にITや経営、金融の実務的なスキルと外国語教育を受けて来たエリートが増加しており、プログラミングのような実務スキルに加えて「母国語・日本語・英語の3か国語」を自在に使いこなすことがすでに当たり前となっています。アジア圏では1流の就職を得るにはTOEIC900点や海外での留学経験を持つことが必須条件となりつつあり、こうした人材を管理することは言語スキルがなければもちろん不可能、むしろ逆に馬鹿にされてしまうばかりか、下手をすれば同僚との競争にも負け外国人が自分の管理者となることも想定されます。こうした環境においてはますます、全ての分野で言語スキルのない人材はただ「格差社会の負け組」となってしまう事でしょう。

SSEAがご提供するサービス

SSEAではこうした社会を見据えて、コミュニケーション力が重視される英語環境に最適な学習法としてネイティブ講師と日本人講師の双方から英語を学ぶ『会話・文法パラレルコース』を設定しております。欧米の本物の英語を話す経歴も一流のネイティブ講師と、バイリンガル講師としてネイティブレベルで会話を使いこなしながらも日本人目線で生徒さまのお悩みやつまずきを理解し受験対策まで指導できる日本人講師の組み合わせは、日本人が本当の英語力を身につけるためには無くてはならない組み合わせです。日本語も英語もネイティブではないアジア人講師やノンネイティブスピーカー、逆に日本人のお気持ちやお悩み、日本の学校や受験環境の理解できない経歴不足の日本人講師は採用を行っておりません。

<従来型の塾と英語塾の英語レベルと環境の格差>

代表講師が「日本人として日本で育ちながら英語を身につけた方法」を、その経験から教育法として実現した学習法がSSEAのオリジナルプログラムです。それは「長い間海外にいたから英語が話せるようになった」「海外の大学やインターナショナルスクールを卒業した」場合には逆に抜け落ちてしまう経験であり、こうした経歴がないからこそ生み出すことが出来た全くオリジナルの、しかし実際にそれが成功した学習法です。

日本のスクールで勉強したい皆さまは、ぜひお試しください。私たちが全力でお手伝いをいたします。

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変わり行く大学受験と、今後も変わらないこと

みなさまもご存知の通り、2020年度から大学入試のシステムは大きく変わります。現行のセンター試験が廃止され、「大学入学共通テスト」が導入されます。これまではマークシートで回答でしたが多くの教科で記述式の問題が導入され、特に全ての大学で要求される英語においては、これまで「読んで聴ければ」良かったものが、「話す・書く・聴く・読む」の4技能が必要となり、そしてこの4技能を重視した英語の外部認定試験(TOEFL・IELTS・TEAP・英検)などを活用する入試形態も今以上に増加することでしょう。こうした傾向は特にその入試形態の自由度が高い私立大学で顕著に見られ、現在でも外部認定試験で一定のスコアを満たせば一般入試の英語が免除になるケースも多く見られるようになりました。

また、私立大学で最難関に数えられる早稲田大学の政治経済学部はその入試形態を大きく変える事を既にアナウンスしており、大学入学共通テスト(外国語・国語・数学・選択一科目)を合計で100点、外部認定の英語試験(30点満点)と学部独自試験(日英両言語による長文読解70点満点)の合計200点満点による選抜となり、早大の他学部もこの方式に追随するとも言われています。私大の定員厳格化と数学の義務化と言う流れは今後の大学入試の傾向を大きく変えることになりますが、共通の要素として要求されるのは「英語力と論理的な思考能力」が「知識偏重のテスト」より重視されると言う点です。今後の学生は「受験に留まらない幅広い分野の知識を日頃からよく考えること」が要求されることになるでしょう。

<英語力重視と数学義務化に舵を切る早稲田大学政治経済学部>

こうして各大学がその入試に独自性を出して行く中で、これまでのように「似たようなレベルの大学を併願する」と言うことが少しずつ難しくなって行きます。例えば東京大学や一橋大学を第一志望にする学生が、対策なしに早稲田大学や慶應義塾大学に合格することは、これまでのようには行かなくなるでしょう。また同じ私立大学でも、早稲田と慶應義塾の入試は今後、全くの別物となってしまいます。今後の学生には高校生のうちに、「どこの大学を第一志望にして、何を勉強するか」を明確にしておくことが求められます。

一方で、入試形態が大きく変わっても社会の中でなかなか簡単には変わらないであろう事も存在します。それは今も昔もそしてこれからも、「学歴の差は就職活動の時点で明確になり、一生ついてまわる」と言うことです。昨今の就職活動でたびたび話題になる「学歴フィルター」と言う存在は企業であれば当たり前のように存在するものであり、説明会の時点であからさまに切られることが例え無いとしても、エントリーシートを提出してみればそれはすぐに分かることです。それは差別とお感じになる方も多いと思いますが、企業側からすれば効率的に採用を行うためには完全に理にかなっている事です。エントリーをして来る学生全員と面接を行える企業はまず存在しません。大学入試とはすでに就職における競争の一部なのだと言うのが現実です。「学歴は差別だ」と言い訳をする前に、目の前の受験を勝ち抜くことが当たり前ですが非常に大切です。その努力の結果を企業が第一の評価基準とすることは、しごく当たり前のことです。

さらに細かく見て行けば、一部の企業や組織には「学部フィルター」まで存在することもあります。官僚組織であれば昇進するためには東大法学部の学歴が必要であるのは周知の事実ですし、僕が就職活動を行った企業の中には「早稲田大学は政治経済学部からしか採用しない」と思われる企業もありました。社会とはブラックなものだなと思いますが、もし将来に叶えたい目標があるのであれば、学生のうちにこうした社会の現実を知っておくことも大切です。一流企業の「学歴フィルター」であれば、私立大学であればその境界線はGMARCHである事も有名な事実です。

では大学選びはどうすれば良いのか、と言う究極のテーマですが、僕の個人的な考えとしてはやはり、「将来どんな事をしたいのか」で決めた方が良いかと思います。何故なら就職とは、一律に大学の偏差値に比例するとは限らないからです。

例えば「将来は省庁で働きたい」のであれば、前出しましたが東京大学、それも法学部を卒業していることが最低条件と言えます。他学部や他大学から省庁へ行く事も可能は可能ですが、そこでの昇進には明らかな差がつきます。「入る前から勝負は既に決まっている」のが現実です。また、公務員ではなく一流企業での就職を希望するのであれば、日本経済において最大の影響力を持っているのは、実は東京大学ではなく慶應義塾大学です。実際に上場企業の社長の出身大学をランキングにすると、2018年時点で

① 慶應義塾大学 260人

② 東京大学・早稲田大学 172人

④ 日本大学 81人

⑤ 京都大学 79人

と、慶應大学の勢力は他大学を圧倒しています。その背景には「慶應三田会」と呼ばれる卒業生のネットワークがあり、この卒業生の強固な結びつきがこうした圧倒的な状況を作り出しています。日本の富裕層や財閥の子息が受験の道より慶應幼稚舎を選択する理由もここにあります。慶應幼稚舎にはそこでしか築くことの出来ない、一般の人々には想像すら難しいような日本最強の人脈ネットワークがあるのでしょう。逆に考えれば、「慶應閥の企業では他大学の卒業生は昇進に不利になる」と言うことは明確です。もし日本の一流企業に就職したいのであれば、僕は迷わず「慶應に行け」とアドバイスするでしょう。

<日本の財界で最強の影響力を持つのは慶應義塾大学>

一方でこの大まかな流れが当てはまらない企業もあります。例えば電気・ガス・交通などインフラ系の企業やメガバンクでは、やはり東京大学の卒業生が有利です。これらの企業は政府との関係性が重要であることから、トップは同じ学歴である事が望ましいと考える傾向があります。また一方で、マスコミ、出版業界やジャーナリスト、政治の世界を目指すのであればその世界に強みを持つのは早稲田大学と言われています。このようにそれぞれの組織や企業にはそれぞれに影響力を持っている大学があり、一概に偏差値や学部で勉強した内容だけでは決まらない側面もあります。そうした意味でも、「将来のイメージ」を高校生のうちに作っておくことが大切です。

これもおかしな話に聞こえるかも知れませんが、「東京の大学へ行くか、地方の大学へ行くか」も実は無関係ではありません。東京に本社を置く企業へ行きたいのであれば、東京にある大学を卒業する方が圧倒的に有利になります。特に一流企業であれば、地方の大学であれば旧帝国大学の国立大学以外からは、もうそこに就職出来る可能性はほとんど宝くじを引くようなものです。東京で就職活動を行うこと自体も大変になりますし、企業の人事部は地方の名門大学や国立大学よりも、多少の偏差値の差であれば東京の有名私大を好む傾向があります。逆に関西や地方に本社を持つ企業は、その地域の大学から優先的に採用する傾向があります。本社が大阪であるパナソニックは関西の大学を優先に、愛知に本社のあるトヨタであれば名古屋周辺の大学から多くの人材を採用しています。もちろん地方自治体の公務員になるにはその都道府県にある国立大学がもっとも有利なのは明らかです。就職には実は「地域性」も確実に存在するのです。そして企業へ就職したいのであれば、日本のほとんどの企業の本社は東京に集中している事を疑う人は、おそらくどこにもいないでしょう。

また、もし将来海外で働きたいのであれば、海外の大学へ行くと言う選択肢も有効です。日本の企業へ就職したいのであれば日本の大学が圧倒的に有利ですが、米国や欧州で就職したいのであれば現地の大学を卒業する方が、言語の壁を考慮しても明らかに良いでしょう。世界の大学ランキングでは日本の大学は不当とも思えるほどに低い評価となっていますので、海外で働くのであれば日本の学歴はほとんど役に立ちません。ただし、海外で働くと言うことは「外国人として働く」と言うことになりますので、米国の超一流大学へ行く事が出来るくらいでなければ結局、最終的には日本へ戻って来る事になります。海外で日本の学歴が役に立たないのと同様に、日本では米国の超一流大学以外の学歴はほとんど役に立ちません。海外の大学へ行くのであればそのくらいの強い意志が必要です。そして米国で就職をすると言うこと、特にGAFA(Google, Apple, facebook, Amazonの略語)のような世界のトップ企業で働くことは、米国の超一流大学や東京大学を卒業するような人材にとっても全く甘くない事です。世界中の超一流の人間が集まる米国企業ではそのポジションを維持することすら非常に難しい事であり、能力が無いと判断されればアッと言う間にその職を失い帰国することになります。そして世界中の超一流の人材が集まっていても、最終的には米国のネイティブが有利に生き残ると言うこともまた事実です。同じ能力なら現地の人材の方が評価される、それはどこの国でも至って当然のことです。そうした海外でのリスクを考慮した上で最も理想的なのは、日本の大卒の学歴を持った上で海外の有名大学院へ進学する事でしょう。

<GAFAで生き残ることはハーバードを卒業する事より難しいだろう>

そして、進路の選択肢は文系に進むか理系に進むかによっても全く異なります。上記の話はあくまでゼネラリストとして文系に進んだ場合が前提です。文系に進むのであれば東大、早稲田、慶應、あるいは一橋や東京の有名私大に進む方が圧倒的に有利ですが、理系に進むのであれば東大・東工大以外なら地方でも国立大学へ行く方が圧倒的にお勧めです。私立大学は学費が高いと言う問題もありますが、技術・研究職である理系は各企業や組織がそれぞれの大学の研究室と密接に結びついており、そして研究室の質を決める予算は国から国立大学へと圧倒的に優先して配分されるからです。理系は分野にもよりますが、東大、京大、東工大の次の選択肢は確実に地方の旧帝国大学と言えるでしょう。理系から一流企業の研究職へ進める私立大学はおそらく、あくまで一般論ですが早稲田、慶應、東京理科大の3つしかないかも知れません。理系に進むのであればやはり、国立大学が優位と言う状況は今後も変わらないものと考えられます。また愛知工業大学など、私立であっても地域性の優位を生かしてトヨタなどに多くの卒業生を送り込んでいる大学もあります。理系は文系以上に、将来におけるビジョンが大学の選択時に明確である必要があります。

高校生のうちに将来の人生を選択すると言うのは難しい事に聞こえるかも知れませんが、大学に入学した後に考える事も可能な日本はむしろ特殊な方と言えます。アメリカでは大学の専攻次第でその先に出来る仕事はほぼ自動的に決まってしまいますし、欧州では高校に入る時点で大学を目指す進学校へ行くのか、職業訓練校へ行くのかの二択を迫られます。就職活動の直前まで自分の将来を考えることができる日本はある意味では恵まれているのかも知れませんが、そうは言っても進学先の大学にその就職を左右されるのもまた事実です。今後の若者には自分の可能性を広げる意味でも、大学を選ぶ前に海外の事を知り英語の重要性を理解し、自分のやりたい事や大きな夢を目指すキッカケを持ってもらう事を願うばかりです。SSEAは受験のための塾や予備校ではありませんが、英語教育を通して皆さまの将来の可能性、そして日本の未来の可能性を広げるお手伝いをさせて頂ければ幸いです。

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イギリス=イングランドではない

本日は、日本で多くの方に勘違いをされている「イギリス=イングランド?」問題について、イギリスと言う国家の成り立ちと共に整理してみたいと思います。

まず根本的な勘違いとして、世界に「イギリス」と言う国家名自体が存在しません。このイギリスと言う日本でのみ使用されている国名は、遡ること江戸時代に日本に入って来たポルトガル語「イングレス」やオランダ語「エンゲルシュ」が国内で「エゲレス」と訛ったものが残っているものであり、世界のどこへ行っても「イギリス」と言う国家名を理解出来る場所は存在しません(苦笑)日本でイギリスと呼ばれている国家の正式名称は、「グレートブリテン及び北アイルランド連合王国」、英語名では”the United Kingdom” (通称the UK)であり、United(連合)Kingdom(王国)の名前が示す通り、4つの旧王国であるイングランド、スコットランド、ウェールズ並びに北アイルランドが連合国として国家を形成しているものです。つまりイングランドとは”the United Kingdom”の一部でしかない訳であり、「イギリス=イングランド」と言う認識はイングランド外の英国市民にとっては失礼以外の何者でもありません。歴史上、イングランドがウェールズ、スコットランド、北アイルランドの順に征服をして形成されたためイギリス女王=イングランド女王であるのは紛れも無い事実として今も残っていますが、イングランド女王も日本の天皇制と同様に政治的な権限のない国家元首となっており、英国=イングランドとの認識は100%間違いです。

<イギリスに存在している4つの王国>

<ユニオンフラッグ(英国旗)成立の経緯>

では、なぜ日本ではこの「イギリス=イングランド」と言う誤った認識が広がってしまったのでしょうか。理由はもちろん複数あり、イングランド女王がイギリス女王であることや、イングランドにあるロンドンが首都であることも影響があったかとは思いますが、おそらく最大の要因はサッカーのワールドカップ本大会に「イングランド代表」だけが出場していることが大きく関係したのではないかと僕は個人的には考えています。

そもそも国家ではない「イングランド代表」がワールドカップに出場しているのは、そのサッカーの歴史によるものが大きく起因しています。サッカー発祥の地であるイングランドは国際サッカー連盟(FIFA)でやや特殊な扱いとされており、イングランドのみの代表チームの存在が認められているのです。逆に言うと、実は「スコットランド代表」「ウェールズ代表」及び「北アイルランド代表」と言うチームも確かに存在するのですが、残念ながらヨーロッパ予選を通過してワールドカップに出場することが出来ないために、日本のほとんどの皆さまが「イングランド代表」のみをワールドカップ中継で見た結果、「ああ、イングランドはイギリスの事なんだな」と言う勘違いへと通じてしまったものと考えられます。

<左上から時計回りに、イングランド、スコットランド、ウェールズ、北アイルランドの代表チーム>

サッカーの話はさておき、英国ではそれぞれの地域に明確に異なる文化とアイデンティティがあり、スコットランドの人々は自らを「スコットランド人」として、ウェールズ人や北アイルランド人も同様に自らを「イングランド人ではない」と考えており、これらの人々を「イングランド」と言うカテゴリーに入れてしまう事は大変な失礼にあたります。このような誤った認識を現地の人へ伝えてしまえば、彼らは大変不快に感じることでしょう。イングランド人が”English”なら、スコットランド人は”Scot”または”Scottish”、ウェールズ人は”Welsh”、北アイルランド人は”Northern Irish”とそれぞれ別個の単語があります。イングランド人以外は”English”ではありません。知らずの事とは言え、日本での誤った認識とはこのような深刻なものと言えます。そもそも「イギリス」が英単語だと思っていて、英語での正式な呼称やその理由を知らない方も大変多いかと考えられます。

英語を学ぶ際には、それに関わる国々の歴史や文化、そして正確な知識も同様に身につけるべきものと僕は考えています。正確な知識なく英語だけを話すことは、時に外国の方々に対して侮辱にすらなり得るからです。英語を学ぶと同時に、世界の様々なことを学ぶことが大切です。

SSEAは英語だけを学ぶ場ではなく、英会話を学ぶ方々が1人の立派な日本人として成長出来るような場でありたいと考えています。そのためには講師・スタッフもただ何かをお伝えする立場ではなく、生徒さまとご一緒に1人の立派な世界市民となれるよう、自ら学び生徒さまから学び、常にご一緒に成長を続けて行けましたら幸いです。SSEAのスタイルが「完成する」ことは決してありません。私たちはいつまでも「変わり続けて成長し続ける」ことが出来るよう、常に最善と改善に挑戦し続けて参ります。

“Keep changing, keep challenging!”

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アメリカ英語とイギリス英語の違いを考える必要がない理由

アメリカで話されている英語とイギリスで話されている英語に違いがある、と言うのは皆さまもご存知の通り、有名な事実です。アメリカ人に言わせれば、世界的にスタンダードなのはアメリカ英語だと言うでしょうし、イギリス人に言わせれば、英語はイギリスの言語なのだからイギリス英語こそが正しいと言うことでしょう。実際にアメリカ人とイギリス人が会話をすると、お互いに「その英語は間違っている」と訂正し合う、などと言う笑い話まであります。

では、皆さまはどのようにお考えになるでしょうか。世界の中心はニューヨークだから、アメリカ英語が正しいと思いますか?発音がクリアな、発祥の地であるイギリスの英語を学ぶべきだと思いますか?

結論から言ってしまえば「どちらが正しいかを考える事にはもはや意味がない」と言うのが正解です。なぜなら、英語とは今やアメリカ語でもなければイギリス語でもなく、「世界の共通語」として学ぶべきものだからです。

「そうは言っても少しでも正しい方が良い」と思う方もいらっしゃるかも知れませんが、そう言う方にまずお聞きしてみたいと思います。

「あなたは、英語を聞いた時にそれがアメリカ英語なのか、イギリス英語なのか、ハッキリ自信を持って区別出来ますか?」

もしアメリカ英語とイギリス英語を完全に聞き分けることが出来る方なら、おそらくTOEICなら900点以上のスコアが取れるでしょう。そのような方は、英語を習うよりもう教えた方が良いかも知れません(笑)逆に言えば、アメリカ英語とイギリス英語の違いとはTOEIC900点レベルになって初めて区別出来るものであって、アメリカやイギリスに移住する予定でもなければ、そのレベルに達するまでは考える必要のないことです。どちらの英語を学んでも、基本的な単語や文法は同じです。

そもそも21世紀の現在では、「どの英語が正しいか」を決めること自体にもはや意味がありません。英語はそれぞれの国や地域で異なるそれぞれの英語が使用されており、「スタンダードな英語」と言う概念は存在しないのです。アメリカではアメリカ英語が、イギリスではイギリス英語が、オーストラリアではオーストラリア英語、インドでは独自に発展した英語、シンガポールではシングリッシュが話されています。

<世界には国の数よりも多い英語がある>

もちろんインドの訛った英語やシングリッシュはかなりクセのあるものなので、それを基準に勉強したり文法や発音が明らかに間違っている可能性があるネイティブではない英語を学ぶことはお勧め出来ませんが、アメリカ、カナダ、イギリス、アイルランド、オーストラリア、ニュージーランドといった国のネイティブスピーカーから英語を学ぶのであれば、TOEIC900点を取るまではその違いにこだわる必要は全くありません。

例えば、もしあなたが「ニューヨークで話されている英語こそが世界基準だ」と考えてニューヨーカーの英語を徹底的に勉強したとすると、その中の「ニューヨーカー特有の表現」はニューヨークでしか通用しません。さらに言えば、ニューヨークの中でも人種によって話されている英語が違います。白人英語、黒人英語、アジア系の訛り、ヒスパニック系の訛り。ニューヨークの中だけ見ても、実は「英語とは1つではない」のです。

<ニューヨークで全員が同じ英語を使うわけではない>

例えば”often”という単語の発音を例に挙げてみましょう。日本ではこの単語は「オフン」と発音し、「tは発音しないのが正しい発音だ」と教えられていますが、実はこれも大きな誤りです。「tを発音する人もいる」というのが正解で、どちらの発音が正しいかを2人のアメリカ人に聞いてみたところ、1人は「アメリカの北部ではtを発音するけど、南部では発音しない」と答え、もう1人は「フォーマルにはtを発音して、発音しないとカジュアルな響きになる」と答えました。「アメリカの北部はフォーマルで南部はカジュアル…」と考えれば何となく辻褄も合うような気もしますが、いずれにせよ唯一真実と言えることは「発音は1つではない」と言うことです。

<アメリカでも北部と南部、東部と西部の英語は異なる>

また、”fish”と言う単語の複数形についても考えてみましょう。この単語は単複同形で、数が増えても”a fish, two fish, three fish…”となりますが、辞書には”fishes”と言う複数形も記されています。これはどういう理由かと言うと、同じ種類の魚は何匹いても”fish”ですが、複数の種類の魚に関しては一部の地域では”fishes”という複数形を使用することがあるためです。ニューヨークでは魚は何匹いようが何種類いようが単複同形の”fish”ですが、辞書にも記されている通り複数形を使用する地域があるのもまた事実です。これはネイティブスピーカー同士でも意見が分かれてしまう内容でどちらが正しいと決めることはできず、「2つの使い方がある」と結論づけるしかありません。

さて、そろそろ皆さまもお気づきかと思います。「英語には絶対の正解がない」と言う事実に。国によって、地域によって、人種によって、場合によっては個人によっても英語とはそれぞれ違うものなのです。特定の地域特有の英語を頑張って勉強しても、それは他の地域では通じない可能性すらあるのです。それだったら特定の地域の英語だけが分かるよりも、様々な英語を幅広く理解出来る方が良いと思いませんか?実際にネイティブスピーカーでさえも「実はネイティブスピーカーも実際には正しい文法で英語を話してはいない」と言っています。私たちがニュースで読まれているような綺麗な日本語を話していないのと、きっと同じなのでしょう(笑)

つまり英語を世界の共通語として学ぶ限りは、アメリカ英語とイギリス英語の違いにこだわる事はもはや何の意味もないことです。綺麗な英語にこだわるよりも、普遍的に誰もが分かるようなシンプルな言い方をする方がコミュニケーションはスムーズに運びます。発音も必要以上にこだわりを持つことは時間の無駄です。よく日本人は”R”と”L”の発音を使い分けられないと言って矯正しようとする講師がいますが、例えばレストランで”rice”(お米)を”lice”(シラミ)と発音したとして、勘違いするウエイターが果たしているでしょうか(笑)そもそも、アメリカやイギリスではウエイターが英語のネイティブスピーカーであるとも限りません。細かい発音の違いや正しい文法に時間を掛けてこだわるより、基本的な文法と必要な単語を覚えてシンプルかつ流暢に使える方が、コミュニケーション力は遥かに高まります。こういう細かい違いにこだわるのは、TOEIC900点が取れてからで十分です。

「世界の共通語」である英語において「正しい英語とは何か」を決めることにはもう意味がありません。アメリカ英語やイギリス英語、細やかな発音や難しい文法にこだわって勉強する前に、身近な外国人とシンプルにコミュニケーションを取ることに挑戦してみてはいかがでしょうか。

なぜなら英語とは、

「世界中で使われる、共通語としてのコミュニケーションの手段」

なのですから。

English is neither American nor British language. It’s “the common language” to understand and respect the difference of us all around the world.

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アイルランドの歴史と言語事情

本日、SSEAでは新たにアイルランド出身のネイティブ講師がチームの一員となりました。

「あれ、アイルランドには、アイルランド語はないんだっけ?」

と気づいた方は鋭いです!実は「アイルランド語」と言う言語は確かに存在します。では、アイルランド語があるはずなのに、なぜアイルランド出身の講師は英語のネイティブ講師なのでしょうか。本日はその理由を、アイルランドの歴史と言語事情を交えてご紹介したいと思います。

<アイルランド共和国の国旗>

現在のアイルランドにおいてはアイルランド語を第一言語として話す人々はわずか数%と言われており、わずかな狭い地域のみで会話に使用されているのみで、アイルランド国民のほとんどが英語を母語として育った英語のネイティブスピーカーとなっています。アイルランドではアイルランド語が国語として定められているものの、ほとんどの国民は学校で勉強するのみで、会話に使用するのもままならないほどにその存在は危機に瀕しています。

この状況に危機感を持ったアイルランド政府によってアイルランド語復活政策が推進され、アイルランド国内の標識などには英語とアイルランド語の両方が表記されたり、義務教育や公務員試験においてもアイルランド語が必修とされているものの、就職後には多くの人が忘れてしまい、英語が第一言語である状況を覆せる可能性はほとんどないと言われています。

本来、ゲルマン語にルーツを持つ英語とケルト語の一派であるアイルランド語は完全に違う言語であり、当然ながら相互に意思疎通を図ることはできません。きっと、日本人と韓国人が自らの言語で会話をしようとするようなものでしょう。本来アイルランド語を話していた地域であったアイルランドが、なぜ英語が母語の国になってしまったのでしょうか。それには当然、隣接するイギリスとの歴史が大きく関係しています。

<アイルランドと周辺国の位置関係>

本来ケルト人が住み着いた地域であったアイルランドにゲルマン系のノルマン人の侵攻が始まったのは、はるか12世紀にまで遡ります。12世紀中には多くの豪族たちがイングランドの支配下におかれ、とうとう16世紀にはイングランド王ヘンリー8世が「アイルランド王」を自称することとなり、これ以降、多くのイングランド人がアイルランドに入植するようになります。1652年のオリバー・クロムウェルによるアイルランド侵略によりアイルランドは事実上イングランドの植民地となり、1801年にはイギリスによるアイルランド併合が行われ、イギリスによる統治は1922年のアイルランド自由国(イギリス自治領)の成立まで長きに渡り続きました。この間に起こったジャガイモ飢饉や、イングランドによる迫害を逃れた多くのアイルランド人がアメリカへ脱出したため、最盛期に880万人であったアイルランドの人口は現在でも約480万人ほどです。また、この自由国成立の際に北部6州は北アイルランドとしてイギリスに留まることになり、その後のアイルランド内戦へと発展したものの、様々な歴史を経て1998年に国民投票により北部6州の領有権は公式に放棄されました。北アイルランドが今もイギリスの一部となっているのは、イギリスによる植民化と分断の歴史によるものです。このような歴史から、アイルランドにおける対英感情は今でもお世辞にも良いとは言えないものとなっています。

<アイルランド共和国と北アイルランド(イギリス領)>

しかしこうした歴史や反英感情とは逆行するかのように、アイルランド固有の言語であったアイルランド語は第一言語の役割を英語に奪われたままとなったのです。隣接するヨーロッパの金融センターであるイギリスとの経済的結びつきは非常に重要なものであり、その実用性から多くの人々は独立後も英語を使い続ける道を選びました。1990年代の「アイルランドの奇跡」と言われる経済成長はアメリカやEUによる投資や援助が大きな役割を果たし、英語を母語としない者は社会的にも不利な立場になってしまうとの現実から、例えアイルランド語が話せる母親でもその子供は英語で育てるのが現状で、アイルランド人にアイルランド語で話しかけても相手が戸惑ってしまうくらいにその存在は小さなものとなってしまったのです。現代のアイルランドの街中でアイルランド語を耳にする機会はほとんどなく、多くの若者にとってアイルランド語は古典を学ぶような位置づけとなっています。

このような複雑な歴史から、独自のアイルランド語を持ちながら英語のネイティブ国家となったアイルランドですが、イギリス内でもイングランド人とスコットランド人には全く異なるアイデンティティがあるように、アイルランドとしてのアイデンティティはしっかりと残されています。アイルランドは第二次世界大戦中においても、当時は英連邦であったにも関わらず唯一対日参戦を行わなかった国であり、現在ではイギリスにただ傾斜するのではなくアメリカとの経済的結びつきも強めています。

<英語が母語の同じ西洋人でも性格や特徴は全く異なる>

日本人から見ればみな仲間かのように見える英語を母国語とする6か国(アメリカ・カナダ・イギリス・アイルランド・オーストラリア・ニュージーランド)ですが、それぞれにそれぞれの歴史とアイデンティティがあります。英語は現代の地球では「世界語」となった存在であり、もはや特定の国の言語ではない英語を学び話すことと自国のアイデンティティを保つことは、決して矛盾するものではないのかも知れません。今後は英語を積極的に学ぶことで、相互の交流によって逆に文化の違いを理解し尊重し合う事の重要性に気づくことが大切なのでしょう。日本にも近年では、多くの外国人が移り住むようになりました。20年前に、東京がこれだけ国際的な都市になる事を想像していた人がいたでしょうか。日本の良さを保ちながら、「異なる文化を受け入れ尊重する」ためにも、1人でも多くの皆さまに英語を学んで頂ければ幸いです。

※ 英会話SSEAが『みんなの英語ひろば』の取材を受け、特集記事が掲載されました。ぜひご覧ください!

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留学でやってはいけない13のこと

ここでは僕が留学で経験したことやその後に学んだ情報から、留学する際に知っておいた方が良いこと、やってはいけないことをご紹介したいと思います。中には厳しい内容もあり、このブログをお読みになって留学にネガティブな印象を持たれる方がもしかしたらいらっしゃるかも知れませんが、それはこのブログの意図する所ではありません。留学には個人のスタイルがあるでしょうし、これら全てを最初からきっちり出来る人はおそらくいないと思います。ただ留学という一生の財産に成り得る機会を、1人でも多くの方に成功させて欲しいと思い、そのために知っておいた方が良いことがあるとの趣旨で書かせて頂きます。これから海外へ留学に行かれる方に、少しでもご参考にして頂ければ幸いです。

⓪英語が母国語でない国へ留学する

この内容は正直書くべきかどうか迷いもありましたが、日本の英語教育が間違った方向へと向かってしまう事は日本にとっても英語を学ばれる方にとっても良くない事と思いますので、ハッキリお伝えする事にしました。

正しく英語を学ぶためには、英語が母国語でない国で英語を学ぶことは全くお勧め出来ません。特に初心者、初級者の方が英語が母語でない、日本語も話せない非ネイティブ講師から英会話を学んだ場合、「間違った感覚が定着してしまい矯正出来なくなる」ケースが非常に多く見られます。一定以上の大きさで正しい英語が母国語となっている国は世界に、アメリカ合衆国、カナダ、イギリス、アイルランド、オーストラリア、ニュージーランドの6か国しかありません。その他の国の講師は英語のネイティブスピーカーではなく、正しくない英語を使用している事が非常に多いです。

これまで僕が様々な方を見て来た結論として、初心者・初級者の方が正しい英語を母国語とする国以外の場所で最初に英語を学んでしまった場合、めちゃくちゃな英語が身についてしまい、感覚として定着してしまったため後から矯正する事も非常に困難です。このような「適当な英語」は、会話の相手がネイティブスピーカーや英語の上級者であればあるほど、文法的に意味を成していないため全く通じません。東南アジアなど英語が母語でない国へ留学することがブームとなっていますが、個人的な意見として、これらの場所で勉強するくらいなら日本国内で勉強する事をお勧め致します。安いものには、必ずデメリットが潜んでいるとお考えください。

① 英語を話さない

「あたりまえじゃん」と思われるかも知れませんが、実際はこれ、中々難しいことなんです。僕も最初はそうだったのですが、留学に行って誰かと話した時になって初めて「相手の言うことが分からない」ことを怖いと感じます。「旅の恥はかき捨て」の旅行とは違い、生活するのに何とかコミュニケーションを成立させることを迫られるからです。英語が通じないと段々外国人に話しかける勇気が無くなって行き、実際には言葉の通じやすい人と過ごす時間の方が多くなります。これは日本人に限った事ではなく、韓国人も台湾人も、スペイン語圏の人もフランス語圏の人もみんな同じです。大体みんな同じ言葉を話す人同士で固まっています(笑)
ですが、そんな時に思い出して下さい。「何のために海外へ留学に来たのか」。それは英語を上達させるためであり、海外でしか学べないことを学ぶためだったはずです。最初は上手く話せないのは仕方のないことです。ですから、英語の話せる日本人と過ごして少しずつ外国人の友達を増やしたり、まずは文化や発音が近いアジアの人と話してみたり、ホストファミリーやルームメイトと話さなければならないことに目をつむったりせず、下手でも良いので外国人と話すことに挑戦しましょう。こちらが心を開いて相手とフレンドリーに接しないかぎり、相手の方から一方的に距離を縮めてくれることはありません。英語が下手でも、「話しかける」「仲良くなろうとする」勇気を持つことが重要です。

② 日本人を避ける


ごくまれにですが、「せっかく海外で生活するのだから、日本語は話さない」と言って日本人と話すことを避ける日本の留学生を見かけることがあります。その心意気は立派だと思いますが、かと言って日本人を意図的に避けることは決して良いことではなく、むしろデメリットの方が大きいと思います。留学生は、当然ですが何でも英語でこなせる訳ではありません。特に最初のうちは、先に留学に来ていた日本人から、知らなかった英語の表現、現地での生活に有意義な情報、国によって様々である外国人の性格や文化・考え方など、多くの情報をもらう事ができます。また留学に来ている人は、多くの人が高額の費用を払ってでも英語や海外でしか学べない知識を勉強に来た向上心の高い方が多く、聞いておいたら為になる知識や経験を沢山持っています。英語の勉強も大事ですが、同時にこうした人達との出会いは本当にかけがえのない財産になります。また、何か困った時に一番頼りになるのは、やはり日本語の通じる日本人です。小さなことにこだわらず、ぜひ日本人を含めた色々な人との出会いを大切にした方が良いと僕は思います。

③ 外国人について回る

日本人に多い残念なパターンがこれです。日本人としては全然悪気はなく純粋に仲良くなりたいだけなのですが、外国人と付き合う際に「自分がない」と思われるとあまり尊敬されません。毎日のように「今日は何するの?」、「一緒に行っても良い?」を繰り返すと、ついて来るだけの奴と思われて煙たがられます。そうではなくて、「~へ行くんだけど、一緒にどう?」とか、「~を食べに行ってみない?」といった具合に、相手が自分と一緒に過ごしたら楽しいと思わせる必要があります。外国人と接する際は相手にただ合わせるのではなく、自分が引っ張っていく方が尊敬され易いと思います。もちろん、一緒について行ったのに英語を全く話さないのが印象として最悪なのは言うまでもありません。

④ 友達が少ない

あまり表面的な友達ばかり増やすのは意味がありませんが、日本人・外国人に限らず、留学ではある程度多くの人と交流する方が良いと思います。苦手な人と無理に付き合う必要はありませんが、多くの人と触れれば触れるほど、英語も上達し様々な知識や経験を手にすることが出来ます。たとえば、英語は母国語の影響を強く受けるため、国によって発音が微妙に違ったり、使う表現が違ったりしますので、多くの人と話すことで多彩な単語や表現を知る事が出来ます。また、留学で学ぶことが出来るのは英語だけではありません。英語は日本でも勉強できますが、外国人の友達を作って話すことや、色々な国の知識や文化を肌で感じ直接学ぶことは、国内や旅行では難しいことです。また、どの友達とその後の長い付き合いを続けて行けるのかすぐには分かりませんので、友達が極端に少ないのはやはりNGです。変な話、留学という限られた期間で学べる英語の量は限られています。しかも授業で学ぶ内容より、外国人の友達を作って英語で話す方がずっと良い練習になり、帰国後も関係が続けば長い目で見ても英語の上達に役に立ちます。留学で最も価値あることは「出会い」があることだと僕は思います。友達を沢山作って、沢山のことを話しましょう。

⑤ 異性とばかり仲が良い

これについては「異性と仲良くしない方が良い」ということでは決してありません。実際に英語を上達させる最も早い方法は「外国人の恋人を作ること」というのは有名な話で、僕もこれには同意します。ですが、異性と「だけ」付き合うと、残念なことに様々なデメリットが発生します。
僕がボストンに留学した際に、こんなことがありました。僕が入学した日に同じように入学したフランス人の男の子と女の子がいました。女の子はすごくフランス人らしい可愛らしい子で、男の子も中々の好青年でした。やがて2人は恋に落ちて付き合い始めたようで、誰に聞いても常に一緒にいる姿があちこちで目撃され、外国人はおろか他のフランス人も2人の間には割って入れないようでした。ある日、その女の子が突然1人になりました。聞く所によると、男の子は留学期間が終わりフランスに帰国してしまったとのこと。それ以降、その女の子は誰とも仲良くなる様子もなく、常に1人で淋しそうにしていました。おそらく誰も話しかけないほど2人の世界を作ってしまったので、他のフランス人からもはじかれてしまったのでしょう。また、外国人の友達を作るには同じ日に入学した人が一番親しくなりやすいのですが、その努力をしなかったために友達が出来なかったのでしょう。留学生には友達を作る「タイミング」の様なものがあって、これを逃すと中々親しい友達を作るのが難しかったりします。
これは極端な話ですが、これに限らず異性とばかり付き合う人には「あいつは女たらしだ」、「あいつは尻軽だ」という悪いウワサが必ず立ちます。やっぱりこうした振る舞いって、どこの国の人にもイメージが悪かったり、嫉妬されたりするんですね。これってどこの国でも同じなんです(苦笑)。こうしたウワサが立つと、次第に周りの人も避けるようになって行きます。ですから、友達は同性異性とバランス良く付き合って、沢山の友達を作るのが結構大事だったりします。

⑥ アジアを見下す

日本人にはあまりピンと来ないかも知れませんが、アジアの国からの留学生は日本や欧米からの留学生に「見下される」ことに非常に敏感です。特に韓国や台湾は「自分たちは経済的に成功した国だ」という自負心がありますので、見下されたと感じるととても不快だそうです。僕の台湾の友達は「フランス人が大嫌い」だと言いましたが、その理由が「見下す」からだと言っていました。フランス人がみんなそうかどうかはさておき、人の上下は経済的な豊かさや出身国で決まるものではありません。留学先ではむしろ「自分を持っているか」「英語が話せるかどうか」で尊敬されるかそうでないかが決まります。ボストンにはアラブの王子だか大金持ちだかが何人かいましたが、人を見下すことに慣れているせいか誰も相手にしていませんでした。少なくても海外では自分が比較的恵まれた国から来たことは忘れて、1人の人間として尊敬される振る舞いをしましょう。特にアジア人同士は、距離や文化が近いこともありお互い強い関心を持っていますし、一番友達になり易く、一番理解しあえる関係です。留学から帰国してもずっと良い友達でいられるのは、やはり韓国と台湾の友人です。韓国人はだいたい日本に悪い先入観を持っていますが、実際に接すると価値観が変わるそうです。台湾人が親日的なのは言うまでもないでしょう。もちろん欧米人の友達を作るのも良いことですが、まずはアジアに友達を作ってみて下さい。

⑦ 日本のことを知らない

これも留学してから初めて気が付くことです。他の国からの留学生は、自分の国の歴史や、社会制度の仕組みと特徴、国際社会での立ち位置などをしっかりと分かっています。たとえば、日本の所得税や法人税・消費税がどのくらいで、その水準が他の国と比べてどうなのか、知っていますか?僕はこれで大恥をかきました…。日本人なのに、日本のことを説明できない、これは非常に情けないことなのですが、海外に出てみるまで意外に気付かないものです。まして自分の知らない日本のことを外国人に教えられてしまった時は、もう穴を掘りたい気分になります。留学に来る外国人は、総じてその国でも優秀な人が多いと思います。そのような人たちと接するときに恥をかかないように、自分の国にまず興味を持って、しっかり日本について話が出来るようにしましょう。

⑧ 授業をサボる

日本の大学と同じ感覚で授業をサボると大変なことになります。海外の大学や学校では出席率はとても大切な評価基準です。米国では学生ビザを発給された学生は8割以上の出席がビザ要件として義務付けられており、これを満たさなかった場合、最悪の場合は強制送還になります。たとえビザが発給されていない語学研修であっても、毎日学校へ行き外国人と英語で接して英語力を向上しようとする努力をすることはとても大切です。
僕が初めて留学をした時、同じ日に入学した英語の全く出来ない日本人の女の子がいました(僕もお世辞にも上手ではありませんでしたが)。その子はやがて学校に来なくなり、何週間か後に会った時は別人のようにやつれて退廃的な生活を送っていました。その子とルームメイトだったドイツ人の友人に話を聞いたところ、ルームメイトと全くコミュニケーションが取れずトラブルになり、それが次にはホストファミリーとの問題に発展して、とうとうホストの家を追い出されてモーテル暮らしになったとのこと。最初に英語が出来ないのは仕方がないことだと思います。ですが英語を向上させることを放棄してしまうと、待っている状況は悲惨なものです。少なくとも毎日授業には出席して、生活のリズムを守り英語力を少しでも向上させて行きましょう。

⑨ クラスで発言しない

日本の学校の授業とは逆で、海外では積極的に発言する事が求められます。語学学校などでは先生が振った話に誰かが答え、それにまた誰かが意見する、という感じで、先生から指名されて答えたり質問されたりすることの方がむしろ稀なぐらいです。どの国の学生も自分が自分がと先を争って発言しようとしますので、静かにすることに慣れている日本人はどうしても気後れしてしまうのですが、慣れたら負けずにどんどん発言しましょう。ずっと黙っているのでは費用が勿体ないですし、何より楽しくありません。海外での授業は日本のそれよりずっと気楽で自由なものです。だから楽しむが勝ちだと僕は思います。

⑩ 現地のルールを守らない

留学先には様々な国から生徒がやって来ます。文化も母国語も異なる人間同士が唯一守らなければならないのは、英語で話すことであり現地のルールに従うことです。公共の場所や学校・ステイ先での喫煙はもちろん、欧米では(日本もですが)歩きタバコも絶対NGです。飲酒に対する規制も厳しく、年齢を証明するものが無ければお酒は買えませんし、クラブやバー・レストランで注文することも出来ません。こっそり違反するとクラブやバーからつまみ出されることもあります。会ったら必ず挨拶をすることや、必要なことは必ず会話で意思を伝えることもルールです。(日本では「察する」ことは美徳ですが欧米では異なります)。ステイ先には門限がある場合もあります。またホストファミリーの誕生日を祝うことや、クリスマスやサンクスギビングの家族での食事も大切にして下さい。米国などは日本よりだいぶ自由で個人が優先の社会ですが、何でも自由にして良いと言うことでは決してありません。

⑪ 自立した生活ができない


日本人はホームステイに、ホストが色々と世話をしてくれるイメージがあるかも知れませんが、実際の留学の生活はそうではなく、自分のことは自分でするという「自立した生活」が求められます。自分の洗濯はもちろんのこと、食事も自分で作らなければならない場合もありますし、ホストファミリーの掃除や食事の後片付けを手伝う必要もあるでしょう。ホストは留学生を「家族の一員」として受け入れるのであって、「お客さま」では決してないことを知っておいて下さい。最初は戸惑うかも知れませんが、お互いを尊重しつつ自分の生活を自分の力でして行くことは、慣れると案外心地の良いものだったりもします。

⑫ 日本で学歴と認められない大学を卒業する


少し厳しい内容ですが、留学をご検討されている方々のご参考になればと考えて、実際の現実をご紹介させて頂ければと思います。日本の大学に入学せず、海外のよく知られていない大学やコミュニティカレッジを卒業した場合、その学歴は日本の企業では「大卒」として認められず、「高卒扱い」となります。また、米国でこうした大学を卒業して現地で就職しようとしても、契約社員レベルのポジションしか得ることが出来ず、その契約が更新されなかった場合は労働ビザが切れ帰国を余儀なくされ、日本では結局「高卒扱い」の仕事にしか就くことが出来ません。日本でも大卒の学歴として認められるのは、ハーバードやスタンフォード、MITやUCLA、UCバークレーなどのごく一部の一流大学のみで、これらの大学の卒業生は近年は高い評価を受け日本の一流企業も米国枠の採用を増やしていますが、それ以外の大学は残念ながら「日本の受験を避けた」と言う評価となるのが現実です。それであれば日本の大学に入学し、交換留学や語学留学で高いTOEICスコアを取得した方が遥かに高く評価されます。「日本は学歴社会だから、アメリカで!」と考えるのは非常に安易な発想で、実はアメリカも日本に勝るとも劣らない超学歴社会です。日本であろうがアメリカであろうが、その人間が努力した結果がそのまま評価されるのは同じです。受験を避け裏道を抜けて英語力さえつければ高く評価される、と言う事は残念ながら起こり得ません。高校を卒業していきなりこうした米国の一流大学へ入学するのは相当に高いハードルのため、まずコミュニティカレッジに入学し一流大学への編入を目指すルートもありますが、もちろんこのルートも死ぬ気で頑張れる強い意志と努力が必要です。努力無くして結果を得ることは出来ません。海外の大学へ進学するのであれば、それだけの覚悟と努力が必要です。

また、近年よく耳にする「世界大学ランキング」を鵜呑みにするのも実は現実とはかけ離れています。世界大学ランキングはあくまで欧米基準の物差しで、英語で書かれた論文のみを評価対象とし、さらに自然科学分野を圧倒的に重視したアカデミックなランキングであり、それは社会や企業での評価とは必ずしも一致しないものです。ここでこの「世界大学ランキング」と矛盾する、もう一つのランキングをご紹介したいと思います。

【世界の大学就職力ランキング2018(QS)】

① スタンフォード大学(アメリカ)
② カリフォルニア大学ロサンゼルス校(アメリカ)
③ ハーバード大学(アメリカ)
④ シドニー大学(オーストラリア)
⑤ マサチューセッツ工科大学(アメリカ)
⑥ ケンブリッジ大学(イギリス)
⑦ メルボルン大学(オーストラリア)
⑧ オクスフォード大学(イギリス)
⑨ カリフォルニア大学バークレー校(アメリカ)
⑩ 清華大学(中国)
⑪ ニューヨーク大学(アメリカ)
⑫ コロンビア大学(アメリカ)
⑬ プリンストン大学(アメリカ)
⑭ 東京大学(日本)
⑮ 北京大学(中国)
⑮ トロント大学(カナダ)
⑯ スイス連邦工科大学(スイス)
⑰ ユニバーシティ・カレッジ・ロンドン(イギリス)
⑱ コーネル大学(アメリカ)
⑲ エール大学(アメリカ)
⑳ 香港大学(香港)
㉑ シカゴ大学(アメリカ)
㉒ ペンシルバニア大学(アメリカ)
㉔ ウォータールー大学(カナダ)
㉕ ミシガン大学(アメリカ)
㉖ 早稲田大学(日本)
㉗ 復旦大学(中国)
㉘ エコール・ポリテクニーク(フランス)
㉙ インペリアル・カレッジ・ロンドン(イギリス)
㉚ カールスルーエ工科大学(ドイツ)
㉚ シンガポール国立大学(シンガポール)
(中略、以下日米の大学のみ記載)
㉜ ノースウェスタン大学
㉞ デューク大学
㊸ ブラウン大学
㊼ パデュー大学
㊸ ジョージア工科大学
㊺ 慶應義塾大学(日本)
(以下、主要大学のみ記載)
ボストン大学(51位)
京都大学(53位)
東京工業大学(57位)
南カリフォルニア大学(59位)
ジョンズ・ホプキンズ大学(64位)
ワシントン大学(64位)
カリフォルニア工科大学(73位)
大阪大学(76位)
アリゾナ州立大学(81位)
ペンシルバニア州立大学(87位)
名古屋大学(90位)

このランキングは各大学の卒業生を、政治やビジネスのリーダーから、ジャーナリスト、科学者、文学やアートの分野に至るまで、①「雇用者の評判」、②「卒業生の成功指標」、③「雇用者とのパートナーシップ」、④「雇用者と学生の関係」、⑤「卒業生の就職率」の5つの要素を基に、世界の大学がどれだけ社会の中で評価されているかを指標化したもので、皆さまがお持ちのイメージと近い「現実的なランキング」と言えるでしょう。世界大学ランキングでは全く低評価を受けている日本からも、上位50位以内に東京大学・早稲田大学・慶應義塾大学がしっかりとランクインしています。ボストン大学やカリフォルニア工科大学もアメリカでは「一流大学」と呼ばれる優秀な大学ですが、世界基準で見ても日本の一流大学の後塵を拝し、それが日本基準になればその評価はさらに低いものになることは容易に想像できます。州立大学レベルの学位は就職活動では「その他の大学」のカテゴリーに分類されてしまうでしょう。日本で正当に「一流の学歴」と評価されるには、少なくとも東京大学より上位にランキングされているアメリカの8大学(スタンフォード、UCLA、ハーバード、MIT、UCバークレー、ニューヨーク、コロンビア、プリンストン)での「実用的な学位」(経済学、経営学、法律、自然科学分野など)が必要となって来ます。それが「日本における現実の評価」と言えます。

さらに、就職をした後の評価はさらにシビアです。日本社会には強固な「学閥」が明確に存在します。

【上場企業の全役員の出身大学2018(役員四季報)】

① 慶應義塾大学 2,134人
② 東京大学   1,844人
③ 早稲田大学  1,837人
④ 京都大学    923人
⑤ 中央大学    888人
⑥ 一橋大学    590人
⑦ 明治大学    584人
⑧ 日本大学    554人
⑨ 大阪大学    461人
⑩ 同志社大学   405人
(中略)
ハーバード大学   73人
スタンフォード大学 31人
ペンシルベニア大学 26人
コロンビア大学   22人

将来的に状況が少しは変わるとは思いますが、それを見越したとしても、世界の頂点を極めるハーバードやスタンフォードでさえ日本社会での影響力とは極めて小さいものです。「そもそも出身者の母数が異なる」「米国の超一流大学を出たら日本の企業になんか興味がないだろう」と言う意見がありますが、学閥が存在する以上は「絶対数」=「影響力」であり、日本の上場企業が海外大卒をトップに据えたと言うケースは未だ聞いたこともありません。米国で現地の一流企業のポジションをゲットしたとしても、そこで現地の「一流のネイティブ」との競争を勝ち抜くことは完全に不可能ですし、役員はおろか管理職になることすら叶わないのが現実でしょう。そうなると残る道は国内の外資系企業と言うことになりますが、国内の外資系企業はあくまで「日本支店」です。支店長は当然ですが本国から来た人間、そしてその支店が日本を撤退することも日常茶飯事です。どれだけ高報酬でも「支店」におけるポジションを転々とすることになりますし、日本の企業のように長期間勤務したら待遇やポジションが上がるというものでもありません。私たちが日本人である以上は結局、日本人が成功できるのは日本の企業だと言うことです。多民族が暮らす米国でさえ、アジア人が大企業のCEOを勤めることはほとんどありません。それは日本の企業が外国人に重要なポジションを与えない事と、全く同じことです。差別だと感じるかもしれませんが、現実は現実、当然と言えば当然です。学歴主義・民族主義と言うのは日本独自の習慣では決してなく、どの国でも同じです。ハーバードやスタンフォードなどの米国の超一流大学で学びたいのであれば、日本の学歴を取得した上で大学院留学をする方が、長期的な視点で見た場合は良いかも知れません。

「留学したい」「海外で学びたい」という気持ちは非常に誇るべきものですが、やり方を間違えると、それはマイナス評価になってしまうケースがあります。留学に行くことは「勉強であり挑戦」であって、決して「遊びや余暇」であってはならないのです。海外に勉強に行かれる方に、上記のような日本の社会の環境や、国内での留学に対する社会的評価も知っておいて頂ければ幸いです。

SSEAでは以上のような要素も考慮しながら、生徒様のご希望や将来の進路、就職を希望する業界なども踏まえた上で、その生徒様お1人がどのような進路を歩んだら最も良い方法で留学を成功させることが出来るかをご提案させて頂きます。考えてみて下さい。あなたは今、人事部に配属され就職活動生の集団面接を行っています。

Aさん:「高校卒業後、アメリカの語学学校に通ってTOEFLのスコアを上げ、コミュニティカレッジに入学してアメリカ文学史を勉強しました!アメリカに3年以上いたんです!TOEIC700点です!」

Bさん:「日本の国立大学で法律を専攻しました。特に企業における特許申請や知的財産に関する分野が専門です。夏休みに1か月、アメリカで短期の語学研修をした事があります。TOEICのスコアは800点です。」

Cさん:「大学生の時にイマイチやりたい事がなくて、卒業してオーストラリアに1年ワーキングホリデーに行きました!TOEICは560点でも、現地のカフェで毎日バイトしてたので直感的にコミュニケーションが取れるんです!」

Dさん:「私は帰国子女で英語が話せたので、その英語力でアメリカの州立大学に入って英語の言語学を専攻したので、私の英語は完璧なんです!日本では知られていないですけど、私の大学は世界大学ランキングで日本のほとんどの大学より上なんですよ!」

あなたが面接官なら、どの学生を次の面接に呼びたいと思いますか?

長くなりましたが、以上の情報がお読みになった方に少しでもご参考になれば幸いです。僕が初めての留学で滞在したアメリカ西海岸のサンタ・バーバラは、今でも僕には特別な場所であり、第2の故郷だと思っています。それは身についた英語や、忘れられない様々な出会いと経験に留まらず、それまで何となく受験をして、何となく大学に通っていた僕に「世界でやって行ける人間になりたい」と思わせ、それまで受け身だった意識を、目標を持った前向きなものに変えてくれた経験だったからです。人生のすごし方が、この町での経験で明らかに変わった、それほど大きな影響を受けました。サンタ・バーバラから帰国した僕はその後、狂ったかのように英語の勉強に没頭し、それが就職活動の成功や、英語力と言う一生ものの財産へと繋がりました。1人でも多くの方に、そんな特別な経験ときっかけを与えてくれる機会が留学なのだと知って頂ければと思います。一生の財産になり得る留学の機会が素晴らしいものになるように、このブログが少しでもお役に立てれば幸いです。

サンタ・バーバラでの留学時代の体験もブログにしています。ぜひ Santa Barbaraその1。からお読みください。また、当スクールの生徒様には、代表講師の経験を元にした留学のアドバイスや語学学校のご紹介なども行なっております。詳細につきましては、「留学サポート」ページをご覧ください。

当スクールのカリキュラムは、代表講師が留学とその後の英語学習で経験した学習法に基づいて構成されております。学習カリキュラムにつきましてはぜひ、「SSEAの学習法」のページやをご覧ください。

※ 英会話SSEAが『みんなの英語ひろば』の取材を受け、特集記事が掲載されました。ぜひご覧ください!

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悪質なタクシーを英語で撃退する(カルカッタ編)

2011年の年末年始にインドからネパールを回ったのですが、何しろインドの旅はトラブルの連続で挙げて行くとキリがないほどで、その中でもインドのタクシー運転手はかなり悪質な者もいて、スムーズに済んだ時の方が少ないほどでした。今日はインドのタクシー事情と、運転手と揉めた際に使用した英語表現をご紹介いたします。

バンコクからLCCでコルカタ(カルカッタ)に到着した僕らは、空港からホテルまでタクシーを利用しました。インドの空港では多くの町で空港で市内までの料金を前払いするプリペイドタクシーが利用出来ます。邪推になりますが、前払い方式にしておかないと、到着の際に法外な値段を要求するタクシー運転手が続出するのではないかと思います…ですのでプリペイドなら取り敢えず値段に関しては安心して利用出来ます。

<ムンバイ空港のタクシー乗り場で待ち構えるインド人たちと、ゴア空港のプリペイドタクシーのカウンター>

ホテルまでの料金を前払いしてタクシー乗り場に向かうと、黄色に塗られた古いタクシーが行列していました。ムンバイ(ボンベイ)もそうだったのですが、インドのタクシーは本当に走れるのか不安になるほど古い、博物館にでもありそうな化石のようなタクシーばかりです。ムンバイの空港では外に出たらチップ目当てに強引に荷物を奪って運ぼうとする輩に囲まれて振り払うのが大変だったため、友人には荷物は絶対に手放さない様に言って身構えて外に出たのですが、カルカッタではその様な輩が少なく少し拍子抜けするほどでした。何しろインドのタクシーは悪質で有名で 、デリーでタクシーに乗る際にうっかり「初めてデリーに来た」と言うと、そのまま旅行会社に連れて行かれて市内ツアーを押し売りされ離してくれないそうです…もちろんタクシーの運転手は客を斡旋して手数料を稼ぐのが目的ですので、頼んでもいないのに強引に連れて行かれるとか…

<カルカッタのタクシー。展示用でなく現役で走っています…>

荷物を積んでタクシーに乗り込み運転手にホテルの名前が記載されたレシートを渡すと、運転手はホテルがどこなのか分からない様子で、どこかに道を聞きに行ってしまいました…しばらくして戻ってきてようやく出発したのですが、1分ほど走ってはまた車を止めて場所を聞きに行ってしまいます…どうしてタクシーの運転手なのに道が分からないのかとお思いになるかと思いますが、インドのタクシー運転手は道を知らない運転手ばかりで、タクシーに乗るとかなりの確率でこの様な行動に遭遇します…この運転手は結局場所が分からなかったのか市内に到着してからも2度ほど道を聞きに出て行ってしまい、散々迷った末に何とかホテルに到着しました…これがプリペイドではなくメータータクシーだったらと考えると恐ろしい限りです。

<道を聞きに行って空になった運転席。オートリキシャーは安いが長距離は走ってくれない>

市内では主に料金の安いオートリキシャーで移動したのですが、あるお寺から有名なモスクに移動しようとした際にリキシャーには遠すぎるからと何度も断られてしまい、仕方なくタクシーに乗ることにしました。流しのタクシーに乗る時は大体乗る際に料金を交渉して乗ることになるのですが、外国人には当然の様に高い値段をふっかけて来ますので交渉も一苦労です…ただメーターを回されたらどうなるか分かりませんので、割高に感じても料金を交渉して乗る方が良いかと思います。

目的地はガイドブックにも載っている有名なモスクだったのですが、相変わらずのように運転手は場所を知りませんでした…地図を見せて走り始めたものの正確には場所を把握していなかったようで、道に迷いあちこち回ったり道を聞きに行ったりして、ようやくたどり着いたのは良かったのですが、交渉して決めた料金を払って降りようとすると運転手は「たくさん走ったからもっとよこせ」と言い始めたのです…そんな後から要求されたお金は払えませんし、そもそも道に迷ったのは運転手のせいで払う義理は全くありません。「迷ったのはあなたのミスでしょ?」と言いましたが運転手はしつこく追加料金を要求して譲らず次第に口論になり、とうとう僕は怒りが限界に達して「It’s your fault, IT’S YOUR FAULT !! OK!!??」(それはお前の責任だろ!! 分かったか !?)と怒鳴りつけて最初に決めたお金を叩きつけて強引にタクシーを降りました。余分な料金は払わずに降りたものの、しばらく怒りで気分が悪かったのは言うまでも無いかと思います…

インドには良い人もいるのでしょうが、観光客と関わる人間は総じてしたたかだったり悪質だったりすることが多く、次から次へとトラブルに遭遇しますので本当に疲れます。ですが時には喧嘩してでもハッキリ主張しなければ言いなりにボラれてしまいますので、この様なキツい言葉も覚えておくと良いと思います…それも怒鳴るくらいキツく言ってやりましょう…口に出して練習してみてください、

「It’s your fault !!」(それはお前の責任だ!!)

※ 英会話SSEAが『みんなの英語ひろば』の取材を受け、特集記事が掲載されました。ぜひご覧ください!

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レンタカーが、パンクした。

2006年の10月から11月にかけて、僕は会社を退職して少し休暇を取り、2001年に初めての留学で滞在したアメリカ西海岸の小さな町サンタバーバラに、6週間ほど滞在することにしました。今日はその滞在中に休日旅行でサンフランシスコを訪れた際のトラブルについて書きたいと思います。

滞在はホームステイで、僕のルームメイトはセバスチャンというフランス人だったのですが、そのセバスチャンにThanks Givingの翌日からの休日を利用してサンフランシスコへ仲間と行くから、一緒に行かないかと誘われました。僕はセバスチャンと非常に親しかったのでもちろんOKしたのですが、何と全員合わせると10人以上のグループになると言います。そんな大勢で一緒に行動出来るかな…とは思いましたが、なるようにしかならないだろう、と成り行きに任せることにしました(苦笑)

Thanks Givingの翌日、ダウンタウンのバスディーポに集まったのは、フランス人、ベルギー人、ドイツ人、トルコ人、韓国人、日本人、そして誰の知り合いなのか地元のアメリカ人を含む多国籍軍でした。アメリカ人の車1台に乗り切れる訳もなく残り2台をレンタカーする予定だったらしいのですが、何と予約をしておらずレンタカー会社には車が1台もありません…本当にたどり着けるかな(苦笑)と思いましたが、3時間ほど待ってようやく返却された車2台を借りることが出来ました。1台をトルコ人2人、もう1台を僕とセバスチャンが運転することになりました。僕らの車は韓国のKIAというブランドの小さな車だったのですが、3台で高速に入るとアメリカ人とトルコ人の運転の荒さが尋常ではなく、僕らの小さな車はエンジンの大きさからとても付いて行けず、いきなりはぐれてしまいました。かくして僕とフランス人2人、韓国人の女の子の4人での旅が始まったのです。

<レンタカーのKIAと多国籍軍>

サンフランシスコでは他の車と合流したり、はぐれたりしながら観光しましたが、基本的には僕とセバスチャン、フランソワ(フランス)、ジェニファー(韓国)の4人(と時折ベルギー人のステファニー)での行動になりました。観光は充実していて色々な思い出が出来ましたが、最後サンタバーバラへ帰る日は残念ながら雨に降られてしまいました。そしてこの雨のハイウェイでの帰路にてかつて経験した事もないトラブルが起こります。

<左からジェニファー、ステファニー、セバスチャン、フランソワ。多国籍軍は最後までまとまりませんでした>

サンフランシスコで他の車たちと別れ、サンタバーバラへ帰る高速道路を僕は運転していたのですが、ちょうど半分くらい来たあたり(SF-SB間は車だと約6~7時間)で、車が突然ガタガタと揺れ始めました。その揺れはかなり激しくハンドルも右に左に取られる感じがしたので、僕は経験が無いながらも薄々「タイヤがパンクした(got a flat tire)」のだと気付きました。高速を降りて車を止めると、見事に右前のタイヤがペチャンコに…付近は真っ暗で助けを求めようにもガソリンスタンドひとつ見当たりません。途方に暮れた僕らは相談した結果、スペアタイヤに交換しようと言う結論になったのです…

セバスチャンがタイヤの交換の経験があったので、スペアタイヤをトランクから出してジャッキアップまでは出来たのですが、タイヤのナットが固くどうしても外す事が出来ません。灯りもなくデジカメの液晶の明かりで照らしながら雨の中格闘しましたが、どうにもならず途方に暮れていると、ジェニファーが通りかかった1台の車に助けを求めました。親切なアメリカ人のおじさんは僕らがタイヤが交換できずにいることを知ると手伝ってくれ、僕に運転席でブレーキを踏む(Step on the brake!)ようにと言いました。そうして格闘すること15分、なんとかおじさんの助けでタイヤを交換することができ、親切なおじさんはお礼を言う間も無く行ってしまいました。かくして僕らは交換したタイヤでそろそろと走りながら、サンタバーバラへ帰り着くことが出来たのです。

翌日レンタカーを返却する際に、頭に血が上りやすい僕はカウンターで散々クレームを付けました。寒くて暗い雨の高速でタイヤを交換したんだと言うと、彼らは交換したタイヤを見て申し訳ないと言ったあと、レンタカー代は半額にすると言いましたが、次からパンクした際はロードサービスに電話したら良いと言うのです。しかしナビも付いていなかった当時、550キロはあろうかと言うSF-SB間(東京~神戸間に匹敵する距離です…)のどこにいるか分からないと言ったら、果たして彼らは何時間以内に来てくれたのでしょうか…親切に手伝ってくれたアメリカ人のおじさんにお礼を出来なかったのが悔やまれます…それ以前に、パンクするようなレンタカーを扱わないで欲しいと思います、Enterprise Rent-A-Car…(アメリカでは割と大手で1番安いのですが、もう使う気になれません…)

皆さんもパンクした際にロードサービスに電話をする際に必要なこの単語、ぜひ覚えてください。

We got a flat tire! 「タイヤがパンクした!」

※ 英会話SSEAが『みんなの英語ひろば』の取材を受け、特集記事が掲載されました。ぜひご覧ください!

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